過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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909:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/21(金) 00:26:51.35 ID:abYTtK5o0
男「ひとまず、一度腹ごしらえをしてから続きにしよう」

少女「わかりました」

 そうして二人は休憩をとっている騎士と女騎士の元に歩いていく。少女は男の手をギュッと強く握り締めて満面の笑みを周りに振りまきながら隣を歩いていく。
 だがそんな少女を見て先程まで喜びを見せていた男は一抹の不安を抱いていた。

男(この子は確かに魔法を扱う才に長けている。でも、今のこの子はあまりにも無垢だ。そんな子を僕らのように戦いの場に出していいのか?)

 最初は自衛のためにと教えていたつもりだった魔法だが、彼女ならばすぐにでも男と変わらないほどの魔法を扱い立派な戦力になれるだろう。
 だが、彼女はあくまでも男達に同行している民間人なのだ。ロクに訓練も受けていないただの少女が戦場にその身を晒してしまっては、技術はともかく心がきっとモタない。
 訓練を受けていた男たちですらあのざまであったのだ。それがただの少女であれば言わずとも結果はわかる。
 戦いの熱に当てられ、狂気に囚われてしまわないか。それが男が感じる懸念だった。

男(いや、だからこそ僕が責任を持ってこの子を守らないといけないんだ。でも……もし彼女も僕らのようになってしまう時がきたのなら……)

 今はまだ何もわからない先を考え、男は己の手を握る小さな温もりを絶対に守り抜こうと一人誓うのだった。


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