過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」
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939:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 23:46:43.80 ID:1f/X2rNz0
……


 
騎士「ビンゴだ。見ろよ、みんな」

 エルフの後を追うことしばらく。男たちはある茂みの影から先へ進んだエルフの様子を伺っていた。騎士の言葉を受け、視線の先を注視すると、何やらいくつもの人影が大量に動いていた。

女騎士「あれは……どうやらエルフの部隊のようだな。負傷している者もいるし、おそらく先日戦闘を行った者たちだろう。規模としては中隊くらいか……。
 ただ、奴らはあの時私たちの介入で隊を崩して散り散りにならざるを得なかったはずだから、おそらくは生き残りの兵の寄せ集めだろう」

 確かに、女騎士の言うように同じ仲間だというにも関わらず集まっているエルフたちの雰囲気は悪いものだった。
 負傷者の手当は遅れているし、怪我をしているにもかかわらず取っ組み合いをするものもいる。罵声や嘲笑が飛び交い、とても人間を相手にするために集まった同胞とは思えない。

男「エルフたちも全員が纏まっているってわけじゃないってことか。まあ、打倒人間を掲げているって言っても、その思惑は様々ってことだね」

女魔法使い「それで、先生。ここに負傷したエルフたちが留まっているという情報を手に入れたわけですがどうします? これ以上はリスクの方が高くなると思いますが」

男「そうだね、確かにこれ以上ここにいる意味はなさそうだ。必要な情報も手に入ったことだし、早いところこれを西方司令官様に届けてあげて、僕らの代わりに満足のいく成果をあげてもらおうか」

 そう言って男たちはその場を後にし、一刻も早く手に入れた情報を司令部へと持っていくため、この場を離れようとした。
 だが、エルフたちの様子を静かに観察している男たちのような存在がいるように、彼らのことをまた静かに見つめる影があることに彼らは気がつかなかった。
 立ち上がり、この場から離れようとする男たち一同に向かって不意にエルフたちの視線が集まる。



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