878:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/16(火) 01:08:30.72 ID:gjzpH+ig0
―まどかの精神内部―
顔の側面へと断続的な刺激が与えられているのを感じる。
閉じた目と覚醒したばかりの鈍重な思考では、その微弱な感覚が何によるものなのかが判別できない。
ほむら(雫……? 水……雨……?)
ほむら(……いいえ、違うわね……)
ほむら(……温かいわ)
少しずつ意識が明澄になってきてはいるものの、まだ完全ではない。
だが、体の方はもう動かせそうだ。
ゆっくりと目を開く。
朧げな視界一面に、よく見知った表情があった。
それは数え切れないくらい繰り返した時間の中で、もっとも心の中に焼き付いている
一番大切な人の、一番見たくはなかった表情。
先程の感覚の正体が解った。
ほむら(……涙……)
……きっと彼女は、私を想って泣いてくれているのだろう。
あの時のように……。
ほむら(こんなにも弱い……私なんかの為に……)
嗚咽と共に零れ落ちてくる涙の一滴一滴の、その温度が
心をギュッ、と締め付ける。
ほむら(でも……今度はあの時とは、逆)
私が貴女を―――。
ほむら(……)
だから、その悲しむ顔もこれで……もう……。
ほむら(もう、最後だから……)
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