過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/03(月) 20:17:34.34 ID:uc/YTnbAo
仮にそうだとしたら、
彼を助ける事は自分が目指して来たエージェント――母や結の姿そのものだ。

クリス「あ、あの……」

クリスが意を決して口を開いた瞬間だった。

ナナシの身体を、黒と白のコントラストが鮮やかな魔導装甲が包み込んだ。

ナナシ「カナデ様からの指示が出た……。
    クリスティーナ・ユーリエフ、君を殺す」

クリス「え……?」

直後にナナシの口から聞こえた言葉に、クリスは愕然と目を見開いた。

クリス「あ、あなた……何で……!?」

先程まで抱いていた様々な疑問が、クリスの脳裏を駆けめぐる。

ナナシ「GH01B……」

だが、その疑問を吹き飛ばす真実がナナシの口からもたらされた。

クリス「ッ!? GH……01……!」

クリスは息を飲み、その言葉を反芻する。

GHのナンバリング、それは人間と同じ姿をした機人魔導兵達が名乗ったコードだ。

今の今まで、自分を助けようとしてくれた相手が機人魔導兵だと言う事を、クリスは知らなかった。

ナナシ「……呼び辛いなら、“ナナシ”とでも呼べばいいよ」

クリス「ナナシ……?」

その名に、クリスはさらなる衝撃を覚えた。

ギアの翻訳機能を解して、それが固有名詞でない事を理解する。

名無し――Nameless。

名前が無いから、名前のある者達と区別するために“名前が無い事”を名前とする、
その事実に嫌悪感すら覚える蔑称。

だが、その嫌悪感すら覚える蔑称こそが、彼の名前。

クリスは、決して彼の名前を尋ねようとした訳ではなかった。

だが、困惑で詰まった言葉は、ナナシには名前を尋ねられたように感じたのだろう。

ナナシ「……いや、名前なんてどうでも良かったね。
    君は、ここで死ぬんだから」

ナナシは頭を振って淡々と呟き、自身の周囲に白い魔力砲弾を展開した。

ナナシ「ヴァイオレットネーベル、セットアップ。
    ……ヴァイスカタストローフェ!」

無数の白い魔力砲弾が、クリスに向けて放たれる。

クリス「そ、そんな、待って!?」

クリスは困惑の声を上げながらも、反射的に魔力障壁を展開して防御の態勢に入っていた。


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