過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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[saga sage]
2012/12/03(月) 20:18:57.73 ID:uc/YTnbAo
そして、一分としない内に、彼女たちは再び分岐点へと差し掛かった。
結「前か、下か……だね」
結は二つの通路を交互に見遣りながら漏らす。
一方は螺旋通路の終端からそのまま直進する水平な通路、
もう一方は真下に向かって降りる縦穴。
セオリー的には道なりに見える直進を選ぶべきだろうが、直感では縦穴が怪しい。
そもそも、地上からの出入り口があの直滑降だ。
通路も歩き難い蛇腹のダクトとなると、まともな常識など通用しないと思って良い。
奏「総当たりしてる余裕もないね。下に行こう」
奏がそう言って縦穴を降りて行こうとした瞬間――
結「ッ!?」
奏「……!」
不意の魔力を感じて二人は息を飲み、思わず魔力を感じた方角――直進通路の先を見遣る。
魔力の感じには覚えがあった。
どこか刺々しい、殺意にも似た思いが込められた魔力。
奏「………カナデ」
奏は自分と同じその名を、譫言のように呟いた。
そう、カナデ・フォーゲルクロウ。
自分と……母と同じ姿を持つ、赤銀の魔力の持ち主。
奏はギュッと拳を握り締める。
結「奏ちゃん……」
結はどこか苦しげな奏の表情を見ながら、その名を呟く。
別にこの先に優先して行く必要は……進んでカナデと戦う必要はない。
むしろ、いち早くグンナーを確保しなければいけない事を考えれば、
グンナー以外の幹部格は可能な限り無視するべきなのだ。
あの映像で見た機械の鎧に包まれたグンナーの戦力がどの程度の物か分からない以上、
これ以上、戦力を分断するのは得策ではない。
理想論としては、二人揃ってグンナーの元に辿り着く事だ。
だが、理想論と信念は時として相反する。
結「行ってあげて……奏ちゃん」
苦しげな表情を浮かべる親友の背を押すように、結は口を開いた。
奏「結……!? でも!」
結「ここはやっぱり総当たりで行こう」
結は反論しかけた奏の言葉を遮るように言って、さらに続ける。
結「もしかしたら、この通路のずっと先にグンナーさんがいるかもしれないもの。
だから、下の探索は私に任せて」
結はそう言うと、“任せておいて”と言いたげに胸を張った。
奏にとってグンナーとの決着は重要事項ではあるが、
それ以上にカナデの事も放ってはおけない。
結もそれが分かっていたから故の提案だろう。
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