過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
↓
1-
覧
板
20
27
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]
2012/12/03(月) 20:22:56.09 ID:uc/YTnbAo
カナデ「ちょこまかと……!」
カナデは苛ついたように吐き捨てて、左の大剣に込めた魔力を霧に変え、
大剣を大きく振り払う事で周囲に拡散させる。
奏「魔力の霧!?」
赤い霧に囲まれて驚く奏を後目に、カナデは霧の中に消えて行く。
その直後、霧はその濃度や密度を変え、無数の水鏡が周囲に現れた。
遠近感を狂わせるような大小様々な水鏡が、魔力探査知覚を狂わせる赤い霧の中に浮かぶ。
カナデ「シュピーゲルゾルダートッ!」
それらの水鏡に、無数のカナデの姿が一斉に映し出された。
どうやら奏のミラージルィツァーリと同様の撹乱魔法のようだ。
カナデ「これなら何処から斬り付けられるか分からないでしょう?」
そう嘲笑うようなカナデの声も、全周囲から谺して距離感を掴ませない。
奏「撹乱魔法は良い選択だけど……この魔法には絶対的な弱点があるんだよ」
しかし、奏は落ち着いた様子でスニェークに炎熱変換した魔力を込める。
奏「スニェーク、プラーミャリェーズヴィエッ!」
奏が炎の刃となったスニェークを投擲すると、短刀型の補助魔導ギアは手裏剣のように周囲を飛び回った。
青銀の炎が、一気に霧を消し去って行く。
奏「相手が閃光変換系や直接打撃系の魔導師ならともかく、
炎熱系や氷結系の変換を得意とする魔導師相手に、
霧を使った撹乱魔法は意味が無いんだ……」
奏は九年の実戦経験で思い知った自身の魔法の弱点を、どこか寂しそうに語る。
事実、奏のミラージルィツァーリは、十一年前の魔導巨神事件での結との決闘に於いて唯一、
結が選んだ対処方法として影響範囲外への脱出と言う“逃げ”の一手を取らせた魔法だったが、
それは彼女が閃光変換系の魔導師だったからに過ぎない。
撹乱魔法は所詮は一発芸の魔法だ。
初めて相対するならともかく、この魔法の特性を知る奏には対処は容易であった。
カナデ「こんなに、あっさりと……!」
霧の全てを消し去られて姿を現したカナデは、悔しそうに漏らす。
経験に差があり過ぎるのだ。
奏は現在二十二歳。
十三歳の頃からプロエージェントとして働くずっと以前、
八歳の頃から戦闘訓練を受けて既に十四年だ。
対してカナデは精製完了から十四年。
自分と同じく精製完了から三年と言う短期間で魔力覚醒を迎えたとしても、
訓練期間は十一年間。
カナデの実戦経験がどの程度の頃からあったかは知らないが、
奏の初陣はもう十一年前となる十一歳の冬。
初陣の相手は新人とは言えAランク以上の実力者であったエレナと、
自身の十倍以上の圧倒的魔力量を誇った結の二人。
他に特筆すべき所では、四年前の超弩級魔導機人との戦闘など、
経験値からして圧倒的な差がある。
キャスリン、リノ、エレナ、レナなど、
魔法戦において得意分野を異にする数多くの師に恵まれた事も大きいだろう。
確かにパワー勝負では一歩も二歩も譲るかもしれないが、
撹乱魔法のような絡め手を使っての戦闘となれば奏に勝てない道理はない。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
831Res/1775.33 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1354532937/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice