過去ログ - 【オリジナル】魔導機人戦姫 第34話〜【なのかもしれない】
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/12/03(月) 20:32:19.51 ID:uc/YTnbAo
その声は、クレーストの開いてくれた回線を通して、クリスの元にも伝わっていた。

奏『戦う理由も、戦う意味もみんな一つじゃない。

  名誉のために戦う人がいてもいい。
  誰かが許せないから戦う人もいる。
  誰かを助けたいから戦う人だっている』

クリス「戦う、理由……」

母の言葉を、クリスは呆然と反芻する。

奏『それと一緒で、戦いが怖くない人なんていない。

  負けるのが怖い。
  死ぬのが怖い。
  傷つけるのが怖い。
  失うのが怖い。

  それは決して、悪い事じゃないんだよ』

奏は真摯に、そう伝え、さらに続けた。

奏『お母さんは……クリスがどんな怖い過去の記憶を見せられたのか、
  ちゃんとは知らない。

  だけどね、それが凄く恐ろしくて、
  心が折れてしまうような記憶だって言うのは、何となく分かるよ……』

何処か哀しげな母の声に、クリスは痛感する。

幾度か、カウンセリングのために移民船で見せられた過去の記憶を、
レオノーラの悲劇の結末を母に話した事があった。

母は母なりに、その事を重く受け止めてくれていたのだ。

奏『だからね、クリスが魔法や戦いを怖いって思うのは当然なんだ。

  だけど四年前……それでもクリスは、
  結みたいなエージェントになりたいって言ってくれた。

  その時、お母さんは凄く嬉しかったよ』

優しげな母の声に、こちらからは見えないその表情が綻ぶ様が見えた。

奏『怖いなら怖さなんて乗り越えなくていい……!

  クリスの怖いって気持ちは全部、お母さんが受け止めてあげるから!
  クリスの心が挫けそうな時は、お母さんが支えてあげるから!

  だから、クリスは前だけを見て……。
  クリスの夢に、クリスのやりたい事に、真っ直ぐに向かい合って!』

カナデ『やめて……』

真摯な母の声の向こうから、譫言のようなカナデの声が響く。


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