過去ログ - マミ「魔女のいない世界で」
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29:マミの部屋【B】[saga]
2012/12/10(月) 01:13:31.18 ID:eQhNfGr00
 “ソウルジェムの真実”を伝えられて驚きを隠せない二人の少女に、キュゥべえが自らの行為の正当性を主張していた。

キュゥべえ「僕の役目はね、君達のような少女の魂を実体化し、手に取ってきちんと守れる形にする為に、魂を抜き取ってソウルジェムに変える事なんだ。

 だから、君達の本体としての魂には、魔力をより効率よく運用できる、コンパクトで、安全な姿が与えられるようにしている。

 弱点だらけの壊れやすい身体をもった人間の少女を、過酷な状況に適応させ、少しでも安全に魔獣達と戦えるようにする為には、その方が便利だろう?」

さやか「確かに、あんたの言ってることは間違っちゃいないと思うけどさ。それって、何だか……」

ほむら「美樹さん、とりあえず話を聞き終わってからにしましょう」

 ほむらに言われ、納得のいかない様子ではあるものの、さやかは口を噤んだ。

マミ「それでね…、さっきも言ったけど、ソウルジェムは私達の魂そのもの。だから、魔法を使うだけでなくて、負の感情を抱いたり、ショックを受けたりしても穢れが溜って、この色も濁っていくの。

 そして、消耗した分の魔力を補うのにはグリーフシードが必要。だから、グリーフシードが無いと、魔法を使うことが出来ない。それに……」

さやか「それに…?」

マミ「ソウルジェムが濁りきってしまった時、私達魔法少女は…、この世から消え去ってしまうの」

さやか「何よそれ!? キュゥべえ、さっきから、一体どういうことなのよ?」

キュゥべえ「申し訳ないけど、浄化しきれなくなったソウルジェムが消滅してしまうのことの理由や原理については、僕達にも解明出来ていないんだ」

さやか「いや、そういうことじゃなくてさぁ……」

マミ「おそらく…、これは私の推測が混じっているのだけれど、私達がキュゥべえとの契約によって叶えてもらう願い事は、この世の条理を覆して、本来は不可能なはずのことを可能にする、まさに、奇跡によって成り立っていること。

 だから、希望を求めた因果がこの世に呪いをもたらす前に、魔法少女は消え去るしかないということなのだと思うわ」

さやか「……」

ほむら「と、とにかく、魔法少女が活動していくには、グリーフシードが不可欠だということなんですね」

マミ「ええ、そういうことになるわね」

さやか「でも…、その、グリーフシードって、誰かの感情エネルギーを吸い取って出来上がるんでしょ?
 
 それって、それだけ犠牲になる人が出ちゃうってことじゃん。だからさ、何とか魔法少女を増やさないようにして、魔獣だけを減らしていくことは出来ないの?」

キュゥべえ「先程と同じく、どういう原理なのかは僕にも分からないんだけど、魔獣は何度倒しても、次から次へと勝手に湧いてくる。

それに、魔獣を倒すことが出来るのも魔法少女だけなんだ。だから、魔法少女がいなければ、おそらくこの星は魔獣どもに覆い尽くされてしまうだろうね」

さやか「そんな……」

マミ「そうならないように、私達魔法少女は戦っているの。命懸けでね」

ほむら「……巴さんは、ソウルジェムや魔法少女の実態を知って、何とも思わなかったんですか?」

マミ「もちろんショックを受けたわ。でも、私には、それでもキュゥべえとの契約をしなくてはいけないだけの事情があったのよ」

ほむら「その事情について、詳しく聞かせて貰うことは出来ますか?」

さやか「ちょっ、ほむら!」

マミ「いいの。私もあなた達には聞いてもらおうと思ってたし。

 そうね、あれはもう二年以上前になるのかしら。私はね……」


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