過去ログ - モバP「成宮由愛をお祭りLIVEに参加させる?」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:31:08.36 ID:8h0ZN2tK0
「あの、今は何のお仕事を……?」
「今度行われるお祭りでうちの事務所のメンバーでライブイベントを行う。その調整だな」
「お祭り、ですか」

 今のやりとりの後、うつむいて何事か考え込むそぶりを見せる由愛から視線を外し(つい撫でてしまいそうになるからだ)俺はパソコンに向き直った。ステージの設営や資材の搬入について、業者に申し込む必要がある。準備すべき事柄は非常に多く、煩雑だ。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:32:17.86 ID:8h0ZN2tK0
「わかった、由愛にも参加してもらうよ」

 俺の言葉に少女は緊張した面もちを破顔させて微笑む。
あまりの可愛らしさに思わず見とれてから、俺は軽く咳払いをして再度由愛と視線を合わせた。

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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:32:56.22 ID:8h0ZN2tK0
「わ、我が下僕と魂の盟友が夕闇の下で契りを交わそうと……!(ぷ、プロデューサーさんと由愛ちゃんがキスしようとしてるっ……!?)」

 蘭子の乱入に硬直した後、彼女の言葉を理解するのに数瞬の時間を要してから、(なお由愛は言葉の意味をすぐに理解したのかさっと目を伏せた)慌てて俺は弁解を始めた。我ながら情けない姿だ。

「違う、違うぞ蘭子、俺はあくまでプロデューサーであってお前たちアイドルと一線を越えるようなことは、じゃなくて由愛には仕事の説明をしようとしてただけだ!」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:33:44.90 ID:8h0ZN2tK0
 何とか落ち着きを取り戻した蘭子と、頬を赤らめている由愛と共に俺は応接室に移った。
 千川は影からことの事態を楽しんでいたのか微笑んでいる。後でしり叩きだな……
 千川がお茶を置いて退出した後、由愛と蘭子はようやく落ち着いたようでいつもの様子に戻っていた。年も近く、趣味も絵を描くことと共通している二人は実の姉妹のように仲がよい。
 「それで、今度の仕事のことだが」

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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:34:11.13 ID:8h0ZN2tK0
「……大丈夫、やれます」

 少女の頬をゆるく汗が流れ落ちる。
 由愛の緊張をほぐすために俺はぽふ、と彼女の髪をなでてやる。
 目を閉じて感触を確かめる由愛と少々不満げな蘭子の視線。
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:34:39.76 ID:8h0ZN2tK0
 それからイベントの数日前のことだ。
 舞台の設営、演奏する楽曲の選択と順番など必要な案件はきっちりつめておき、後はアイドル達の仕上がりを待つばかりとなった。
 レッスンをたびたび確認しても仕上がりは着実に近づいてきている。後は本番のプレッシャーと人数の威圧感につぶされなければ問題はない、彼女達を信じなければ。
 そうこうしているとレッスンを終えた少女達の会話が聞こえてきた。

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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:35:29.04 ID:8h0ZN2tK0
(まあ個性があっていい……のか?)

 博士の趣味なんかは露骨に錆びた鉄と硝煙の香りでむせそうになる。ボトムズとかああいう路線を目指しているのだろうか?

「三人ともお疲れさま、ユニットの調子はどうだい?」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:36:29.48 ID:8h0ZN2tK0
 三人を見送ると俺はレッスン場に歩いていく。二人の様子が気がかりだった。
 レッスン場のドアをあけると少女二人の美しい歌声が耳をふれる。
 トレーナーの指示の元、二人はデュエットに力を入れているようだ。息もあっており、見事な歌唱力を俺に披露してくれていた。
 指導のための中断などもなく最後まで歌い終えると、二人とも俺の姿を見つけてかけよってきた。そのことに苦笑しつつもトレーナーさんは笑って見逃してくれる。

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13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:37:03.29 ID:8h0ZN2tK0
(二人ともきれいな体してるよな……)

 ぼんやりと出た感想をかぶりをふって打ち消す。二人ともまだ中学生、なのだが。
 俺の葛藤を他所に二人はすぐ戻ってきた。
 こちらを見て笑いかてくれる二人になんともいえない感情を持て余しつつ、俺はトレーナーさんに別れを告げてレッスン場を後にした。
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:37:41.27 ID:8h0ZN2tK0
「ついていこうか?」
「余りにも短き道程であれば(すぐそこだから大丈夫です)」

 さっとドアを開けて出て行く蘭子の姿を見やる横で今度は由愛に話しかけられた。

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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/12(水) 03:38:14.52 ID:8h0ZN2tK0
 俺の返事に満面の笑顔を返す由愛にこちらも不意に照れてしまう。
 この笑顔だけでも承諾して良かったと思える、そんな笑顔だ。
 何となくほんわかした空気が流れる中、そそくさと蘭子が戻ってくる。
 彼女はとにもかくにも一目につきやすいのが心配だ。

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