過去ログ - 堕女神「私を、『淫魔』にしてください」
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7: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2012/12/18(火) 02:38:06.60 ID:w6oP1aHdo
堕女神と別れて、一人で歩を進める。
先んじて七日間の経験があるため、迷うことは無い。
足が向いたのは、中庭。
この時間であれば、良く知る二人の淫魔が庭仕事へかかっている筈だ。

勇者「(やりづらいな。……にしても、堕女神は……あんなに、取っ付きづらかったか)」

歩みを進めながら、ぼんやりと思考を巡らす。
事実上の初対面とはいえ、ああも刺々しかったか、と。

勇者「……しかし、女王?」

唐突に語られた真実は、ある意味では自然だった。
隣国、幼い姿の淫魔の国は、女王が治めている。
彼女らがみな女性型の魔族という点から見ても、その方が納得できる。

もし男性の「王」が治めているというのなら、その「王」は何処から来るというのか。
そんな事を考えていると、勇者はだんだんと自分が不自然な存在に思えてきた。
人間である、という点は差し置いても。
何故、自分は「王」として君臨するに至ったのか。
魔王の力、とも思ったが、勇者は以前にそんな事を口にすれば、否定を受けた。
曰く、「魔王は全能ではなく、不死でもない」と。
魔王によって見せられたものは、いわば、違う可能性を持った『世界』だった。
平行世界を知覚し移動する事はできても、世界を書き換える事は、魔王にもできはしないのだろう。

だとすれば、現状は、因果律を操作するような理解不能な大それた力によってもたらされたものではない。
何かしらの、この世界においては現実的な作用によってのものだろう。
それだけに――謎は複雑に、それでいて計算された意地悪な「もつれ」を形成していった。

勇者「まぁ……いいか。謎解きは嫌いじゃない」


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