42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 02:45:38.81 ID:ciVG5wjy0
「サンタなんていないなら、いないでいいんです〜」
「どういうことだ?」
イヴは私を屋根の上に避難させて、一人ソリに乗ってかな子の部屋の前に静止した。
「あえて正直に、真っ正面から訪問するんです〜。それで、さも当然のように『サンタです〜』って挨拶するんですよ〜」
「それは……分かりやすい作戦だが、私たちの存在をばらして解決とするのはどうなんだ?」
「うふふ〜、バレてもいいんですよ〜。だって、私たちがここに来たなんて、かな子さんには少しも思わせたりしませんから〜」
「何? そんなことが可能なのか?」
朗々と作戦を説明して聞かせるイヴだったが、私はそのあまりの大胆さに冷や汗を垂らすばかりだった。
「可能も何も、普通はそうなると思いませんか〜? サンタなんて夢に決まってるのなら……あえて現実離れした様子をそのまま……いえ、もっと大げさに見せて、これは夢ですよ!って思わせちゃえばいいんです〜! どうですか、この作戦〜!」
「……なるほど、確かに『正直が一番』だな。かな子がどう思うかは分からないが……いけるんだな、イヴ?」
「行けますとも〜!」
親指を立て、こちらにやる気を示すと、今し方かな子が引っ込んでいった窓へと肉薄するイヴ。
私も大げさに屋根から身を乗り出すのをやめ、そっと様子を見守った。
「では『しずかちゃんをお誘いするリズム』で行きますね〜」
「……?」
「かーなー子さんっ、こーんばーんはーっ」
うむ……なんとなく不安だが、見守ろう。
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