45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 02:53:36.66 ID:ciVG5wjy0
「――いやしかし、小春の手紙には驚いたな。『うま、うまが欲しい。ヒョウくんといっしょに乗りたい』とは」
「お馬さんはソリに乗らなかったからっていうお返しのお手紙はうまいと思いますよ〜? うまだけに〜」
「馬のぬいぐるみに手紙を添えたわけだから、本当『うまだけに』だな……と、もう2時か。 時間が過ぎるのは早いな……」
かな子の家を出てからさらに数件を巡ったが、それらは概ね成功したと言ってよかった。
プレゼントのかさもだいぶん減り、それらはアイドルたちの夢の原動力になっていると、確かに感じられた。
「私はまだまだ付き合えるが……イヴ、体調は大丈夫か?」
「大丈夫ですけど〜…… ここらで一回休憩しましょうか〜。目立たないところに降りて、コンビニで飲み物でも買ってきましょう〜」
「そうするか……」
ブリッツェンに連れられてひたすらにアイドルの家々を回っていたら、いつの間にか結構遠くまで来ていたようだ。
都内からはまだ出ていないものの、畑や大きな緑地帯なども目立つようになっている。
駅近くの適当なビルの屋上に降りてから、ブリッツェンの背に乗って改めて地面まで降りる……
そうしたところで、ふと横にいるイヴの出で立ちが気になった。
「真っ赤なサンタ服に、銀髪の外国人美少女アイドル……」
「ふぇ? や、やですよぅ、木場さんたら〜! いきなりそんな、その……照れちゃいますよぅ〜」
「い、いやそう言うことではなくて…… こんな深夜にそんな格好でアイドルがコンビニに行くのはいかがなものかと思ってな」
もちろん私もイヴに渡されたサンタ服を着ているのだが、なにせイヴ=サンタクロースの名で日々活動しているこの子の目立ちようといったら、私の比ではなかった。
今は目立たない裏路地に居るものの、ここから見える通りの向こうのコンビニは、立地がいいのかこんな時間でもやけに人が多い。
「え、あ、そういうことなんです? なんですかもう〜、素直に褒めてくれたのかと思ったのに〜」
「すまないな。私だけならそう目立ちはしないだろうし、イヴの分も何か買ってくるよ」
「分かりました〜。そしたら私、ブリッツェンと一緒に屋上にいますから……そうですねぇ、10分したらお迎えブリッツェンをここに、って感じでいいですか〜?」
「それでいいだろう。暖かいお茶とかでいいかな?」
「あ、あったらでいいのであまざけかおしるこをお願いします〜」
「意外なチョイスだな…… よし、それじゃ行ってくるよ」
ちょっと不服そうなイヴだったが、私がサンタ服を脱いで渡すと素直に受け取ってくれた。
ブリッツェンにまたがり垂直上昇するイヴに見送られながら、私は通りの向こうの青い看板を目指した。
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