過去ログ - 木場真奈美「木場サンタ?」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/25(火) 00:51:34.37 ID:ciVG5wjy0
「……いいえ、大したことじゃないわ。ただちょっと、アイドルって聞いて夢みたいに思えて」

すぐに顔を上げて苦笑してみせる瞳子さんだが、どことなく不安げな雰囲気は拭えない。
夢。瞳子さんがよく口にする言葉だったが……
以前アイドルをやっていて一度は挫折したという彼女の過去を知っているだけに、彼女の言う“夢”の重みが、私にもいくらかは理解できた。

「女の子の夢よね、アイドルって。それにファンに夢を届ける存在」
「あぁ。そうだと思うし、そうありたいとも思う」
「でもアイドルになった後も、やっぱり現実は厳しくて…… 今だって一年前に再デビューはしたけれど、結局この一年は下積みで過ぎちゃった感じね」
「そういえば……『努力しても実らなかったこと、ある?』だっけな。いつだったか君に聞かれたのを覚えてるよ」
「ええ…… 今も小さな仕事はあるけれど、まだまだ夢の実りというには早いわよね」
「そりゃあそうさ、まだまだ終わるには早すぎる」
「……そうね」

瞳子さんは、なんてことはない落ち着いた口調で……しかし確実に切実に、胸の内を訴えるように語った。
実際アイドルなんて結果の出ない人の方が多いし、私だってそこまで売れている訳ではない。
なんとなしに、弱気な瞳子さんを激励したくもなったし、自信を持って努力し続けるべきだと叱咤したくもなった。
だが、偉そうにそんなことを考えている自分はどうだろうかと――ふと考えて、口をつぐんだ。


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