89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:20:35.18 ID:3mvhgf9F0
「……まだ寝ているな?」
仁奈がほんの少し立ち入ったという話だが、特に休憩室には異常は無い。
イヴも相変わらずぐっすりのようだ。ブリッツェンまでもが寝入っていた。
“あの曲”のCDを、ケーキの箱の上にそっと置く。これでクリスマスプレゼントの方も、準備完了だ。
……しかし、これでサンタのお仕事も、すべて終わりだと思うと、なぜだか無性に寂しく感じる。
「木場サンタでいられるのもここまでだな……」
どうにも慣れなかったこの呼び方にも、私自身いつの間にか愛着すら覚えていた。
祭りの後の寂しさと、やることをやった達成感と……一生忘れられないであろう、一晩の思い出と。
さまざまに思いを巡らせながらも、私は音を立てないよう部屋を出て、元通りの日常へと帰っていく。
ただ――イヴが起きたなら、そんな私を追いかけて来て、もう少しだけクリスマスの非日常を満喫させてくれるかもしれない……
心の内では、少し期待していた。
「……夢のような一夜をありがとう。サンタさん」
まぁ何にせよ、今はただイヴが喜んでくれることを祈るのみだ。
充実した気持ちで、私は部屋の扉をそっと閉めた。
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