88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:18:37.31 ID:3mvhgf9F0
「そういえば仁奈はずっと4階にいたのか?」
「10分ちょっと前に来ましたです。そこのテラスに用があったですよ」
「用?」
イヴの寝ている休憩室へ向かう途中、話を聞いてみるとやはり仁奈は少し前からテラスにいたらしい。
なにやら用があったというテラスを見れば、微妙に溶け出して丸くなった、数体の雪だるま……その脇に、新しい足跡が出来ている。
「あの飛行機雲、見えます? あれの向こうに、パパがいやがります。おうちからだと、飛行機よく見えねーらしいから、ここまで来ちまいました」
「……パパ、そうか」
「ちょっとの間だけだったですが、昨日はパパに会えました。サンタさんが連れてきてくれたです」
青く晴れた空に刻まれたひとすじの雲を指さして、仁奈はしみじみと話す。その様子は満足げだ。
話している間、空を見たり休憩室の方を向いたりと落ち着かない仁奈だったが……表情はしっかりとした喜びに満ちていた。
「仁奈はもう少しここで、パパの乗った飛行機のあとを眺めてるです。サンタさんにお礼を言いに行きたいですが……きっとまだお疲れです」
そう言ってもう一度、イヴの寝ている休憩室のほうをちらりと見ると、仁奈はテラスへと戻っていった。
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