過去ログ - ほむら「あなたにもう一度」
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43: ◆2gMnW4GmGpwP[sage]
2013/01/12(土) 08:29:18.65 ID:7o9MZzi50

「本題に入る前に…あなたの中にあるそれ、分かる?」


 それ、というのはさっきまで居た‘赤いリボンを着けていたもう一人のほむらちゃん’から入ってきた光のことでしょう。


「うん。これは、ほむらちゃんの魔法だよね」


 わたしが改変した世界に対応して変化した、ほむらちゃんの‘固有魔法’の性質を持っているのが分かります。

 改変前のほむらちゃんの祈りはわたしが概念化したことで宙に浮きました。

 わたしを強く意識していたほむらちゃんの意思が反映され、弓矢と翼になったのです。

 それは本来、ほむらちゃんしか持てないはずの力なのです。

 本当にわたしはほむらちゃんと入れ替わる形で人に戻ったのだと実感させられました。


「…分かっているならいいわ」


 こうやって話していると、どこか冷たくて堅い、そんな印象を強く受けました。


「ねぇ、あなた…本当に‘ほむらちゃん’なの?」


 不安になり、思わず尋ねます。

 それほどまでに‘今まで会ったほむらちゃん’とは違う人物に見えたのです。


「ええ。紛れもなく‘暁美ほむら’本人よ」


 わたしの失礼な質問に気を悪くした様子も無く、‘ツインテールのほむらちゃん’は即答しました。


「どうしてなのかな…違和感があるよ」


「それは私があなたとは接触したことのない‘暁美ほむら’だからでしょうね」


 わたしの反応は想定内だったのか、説明してくれます。


「…どういう意味なの?」


 全く意味が分かりません。

 わたしが‘ほむらちゃん’と全く接点が無かった時間軸は無かったと思います。


「あなたが経験した時間軸には関与していない‘暁美ほむら’だということ。

 今は弓だから分かりにくいでしょうけど、以前の盾はひし形だったのよ?」


 表情は変わらず、でも口調はほんの少しだけ最後が砕けました。

 なるほどです。

 ほむらちゃんが時間遡行する度に‘わたし’が存在したように、わたしが干渉しなかった時間軸に存在した‘ほむらちゃん’だということなのでしょう。

 違和感を感じているのは、わたしが知らない時間軸の存在だからなのかもしれません。

 顔や声、本質が似ていても別人っていうが、感覚的には近いのだと思います。

 とりあえず、とてもよく似たそっくりさんということにします。




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