過去ログ - キョン「それでもコイツは涼宮ハルヒなんだ」
1- 20
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 12:45:30.23 ID:Icdf4Wax0
 子供と殴り合う深夜徘徊老人、拳で語り合って友情が目覚めた挙句のプレゼント贈呈とかアイツの頭の中はどうなっていやがるのか。一度脳外科に行ってCTスキャンを取ってくるべきだと俺は割と本気で心配だ。

「……アイツはアホだからな」

 やれやれと一つ溜息を吐く。隣を歩く少年はただ笑っていた。――だ、か、ら、笑い事じゃないんだよ、古泉? その辺、本当に分かってんのか?
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 12:54:31.02 ID:Icdf4Wax0
「すう……すう……」

 今年も残すところ後わずかとなった十二月半ば、授業は二学期間にせめてここまではやっておかなければならないという(生徒に無断で)各教員が自らに課した目標へとラストスパートを駆け、
急加速に振り落とされんようにせめてノートだけでもと考える俺は窓際という極寒のシベリア流刑にあってすら怠惰を許されてはいなかった。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:05:30.21 ID:Icdf4Wax0
「ん……んんぅ……くう……すう……」

 でもって、そんな危機感を抱き始めているのはどうやら俺ばかりでも無いらしい。雰囲気なんて言葉で誤魔化すのも躊躇われる程度には、気付けばクラスメイト達の眼の色も徐々にだが本気の色へとグラデーションを始めている。

 そういうのが徐々に俺を急かし、焦らせ、そしてそんな急いて焦った俺の影響で誰かも急かされるって負のスパイラルがクラス全体に根を張っているのが眼に見えるようだ。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:13:56.72 ID:Icdf4Wax0
 豪胆という言葉がそのまま人となったようだとは古泉の評価で、対して傲慢の間違いだろと、こっちは俺の評価。ま、どっちでもいいが。

 にしてもよく寝てやがる。ああ、呪いたくなるほどの爆睡ぶりじゃねえの。ったく。比喩じゃなく命に関わりかねない低温だってのによく眠れるよ、コイツ。首だけで振り返って様子を伺って……、

 ……あれ?
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:22:36.43 ID:Icdf4Wax0
 俺は咄嗟に時計を見る。幸いにも残り十分足らずを耐え切れば放課後だ。そうなれば朝比奈さんのあつーいお茶も、部室には電気屋から接収した電気ストーブだって有る。蘇生にはこれ以上なく十分な組み合わせだ。

 ならば、それまでにこれ以上ハルヒの体温を下げない事が目下、俺に与えられた急務。世話を焼かせやがる団長様だ、全く。

 別に授業を真面目に受けろと言う気は無いが、(どの口が言うのかと詰られるのは眼に見えているしな)それにしたって自分の命くらいしっかり守って欲しい。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:31:17.12 ID:Icdf4Wax0
 特に冷えていた指先から肩口の辺り、机に放り出している部分へとそれを掛けてやるとハルヒはまるで待っていたかのように頭から布の中へと逃げ込んだ。

「……どんだけ寒かったんだよ、お前」

 眠り続ける少女に向けてそうボヤき、そしてまた仕方が無いかとも思った。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/31(月) 13:32:20.15 ID:H2Q0s5tyo
ハルヒ阿呆可愛くてわろた


14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:40:27.25 ID:Icdf4Wax0
 授業が終わり、ホームルームで担任が口にしたのは三年生に気を使うように。受験でピリピリしてる時期だってのはよく分かる。

 だが、気を使うも何も俺が接する数少ない上級生であらせられる所の朝比奈さんと言えば年が明けてもこっちに居るかどうかすら俺には分からないしな。

 なにせ、彼女はリアル時を駆ける少女だ。卒業と同時に未来に帰っちまう可能性を古泉から聞いていた。実際のところは分からない。聞いてみる勇気も持ってないし。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 13:52:39.99 ID:Icdf4Wax0
「は? ……いきなり何言ってんだ、キョン?」

「女なんて星の数ほど居るさ、と言ったんだが」

 失恋したヤツへ送られる常套句だと、二回言ってようやく谷口は理解したようだった。反応遅いぞ。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 14:02:35.20 ID:Icdf4Wax0
「ぐっ……なんとでも言えよ。だけどな、彼女はおろかデートの約束すらないキョンに俺の壁は越えられねえ!」

 谷口は両腕でもって空中に大きな四角を描いた。

「名付けて、谷口スペシャル!」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 14:14:09.34 ID:Icdf4Wax0
「くそっ、国木田まで一緒になって馬鹿にしやがって。あのなあ、言っておくが俺はもう去年までの俺じゃねえんだよ」

 ほう、それは初耳だ。いつの間に「マークツー」もしくは「改」、「バージョン1,10」のような修飾が付いていたのか。

 男子三日会わざれば刮目して見よ。眼を凝らしても違いなんてのは制服が一年分くたびれただとか、学年章の横線が一本増えただとか、それくらいしか分からんのだが。
以下略



441Res/484.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice