1:第一章『トイカメラ』[saga]
2013/01/03(木) 20:05:56.20 ID:ecg1BOd5o
 
 「ちょっとお話でも、どうでしょう」 
  
  裏通りに立ち尽くしていた男の人が、突然話しかけてきた。 
  
  正直言って、嫌な予感しかしなかった。 
  
  こんなところ。 
  つまり、人目に付かない場所。 
  どう考えたって、ナンパとかには適してない。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:06:33.52 ID:ecg1BOd5o
  
 「お名前は?」 
  
 「高森藍子、と申します」 
  
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:07:08.41 ID:ecg1BOd5o
  
  訊いてもないのに、男の人はぺらぺらしゃべりだす。 
  おかげで逃げるタイミングを失ってしまった。 
  
  しぶしぶ耳を傾ける。 
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:08:19.25 ID:ecg1BOd5o
  
 「ここじゃ寒いですね。 
  どこか、あたたかいところで話しましょう。 
  ごちそうしますから、ね?」 
  
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:09:06.70 ID:ecg1BOd5o
  
  プロデューサーを名乗る人は、 
 とある芸能事務所の新入社員で、 
 スカウトをさせられている。 
  
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:09:43.21 ID:ecg1BOd5o
  
 「そんなことないです」ちょっと考えてから、曖昧に答える。 
  
 「そう? なら、よく話聞く気になりましたね」 
  
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:10:22.23 ID:ecg1BOd5o
  
  それから先は、芸能界や、その事務所に関する説明をされた。 
  とにかく、美辞麗句の連発。 
  
  新人の人にしては、話が上手だなあと思った。 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:11:31.03 ID:ecg1BOd5o
  
 「まあ、事実ですから」 
  
  開き直ったように、プロデューサーさんは、はっきりと言った。 
  
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/03(木) 20:12:06.92 ID:ecg1BOd5o
  
  プロデューサーさんは、手に取っていたカップを置くと、やたらと真面目な顔で私の目を見た。 
  
 「もちろん」 
  
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