過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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18: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/04(金) 23:02:40.72 ID:yAr9XARu0
不安定な結界を抜け、二人は先程と同じ所に戻ってきた。結界内をいくら歩きまわっても出口は同じというあたり、異界化に似ている。
ほむらは落雷の轟音でおかしくなった耳は治ったのだろう。いつもと変わらぬ風情で髪をかきあげる。その仕草すら様になっているのがネミッサにはなんとも憎らしい。本当にこの子は中学生なのだろうか。

「ま、こんなもんね。でも魔女ってのはもっと強いんでしょ?」

「ええ、そうね。耐久力以外にも固有の攻撃方法や能力があったりするわ」

「そのへんは悪魔も変わんないから、見極めが大事そうね」

用は果たした、とばかりに踵を返すほむらの態度からして、一応試験には合格したようではある。ほむら自身はそのまま魔女退治に行くつもりなのかネミッサに構わず再び路地を歩き出す。

「ちょっと待って、どこいくのよ」

「試験は終わったわ。協定は結んであげる。今日はここまでよ」

「それはいいんだけどさ、今後どーすんのよ」

「連絡をこちらから…」

はたと、ほむらの言葉が途切れる。要は連絡をとる方法がないと気づいたわけだ。協定を結ぶつもりがあまりなかったのでそこまで頭が回らなかったのが真相だが。止む無くメモを取り出すと携帯電話の番号と住所を書き込む。

「これ、渡しておくわ。プリペイドでもなんでも、携帯電話を手に入れて頂戴。持ってる?」

「ない。オカネならあるし、まぁなんとかする」

ハッキングでもなんでもして、と付け加える。受け取ったメモに目を通すと、律儀にそのまま返す。

「…覚えられたの? 忘れても知らないわよ」

「うん、11桁くらいの数字なら余裕。住所も覚えた」

訝しがるほむらにスラスラと暗記した番号と住所を伝える。一言一句間違えなく淀みなく言えるあたり、完全に暗記できているように思えた。魔法少女たるほむらにとっては先ほどの電撃より、そちらのほうが悪魔っぽいと感じた。ありふれた奇跡より、暗記スピードに驚く方にも多々問題がありそうであるが。

「でさ、なんでアンタそんな態度なの? そんなんじゃ友達できないよ」

「構わない。私には友達は一人だけ」

「ああ言えばこう言う……。いつかアンタを泣かしてやるわ。覚悟しといて」

「そう、できるものならどうぞ」



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