過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/05(土) 15:38:21.43 ID:wOPwqajX0
だいぶ買い物に時間がかかったが、荷物を(家主には大変迷惑なことに)ほむら宅に置いても、丁度放課後に間に合ったようだ。ほむらの悲鳴が聞こえてきそうだが、ネミッサは無視することに決めた。下校中の学生の中、マミを認めるとまっすぐに近寄った。数人の同級生と歩いているようだが、誘いを断るように手を振るさまが見えた。魔法少女の生活が彼女の学生らしい生活を損なっている様に思う。勿体ない。
「こんにちは、マミちゃん」
「あ、ネミッサ。こんにちは」
タレ目が更に垂れる。ほんわかした笑顔がなんとも魅力的で、ネミッサも自然に微笑む。ほむらとのやり取りでささくれた心が洗われるようだ。
昨日のシュークリームのレビューをし、にこやかに会話をする。わりとマミのレビューが辛かったのは、舌が肥えているからだろう。お菓子で釣るのは難しそうだ、ネミッサは頭の中でその方法を放棄した。そもそもお菓子に詳しくないのだから無理だが。
「今日も、何かお土産にお菓子を買うの?」
「出来ればでいいよー。毎日じゃメーワクだしね」
「ううん、いいのよ。私も楽しいし」
「でもさっきお誘い断ってなかった? 予定でもあるの?」
「あら、見てたのね でも帰りに寄るくらいなら平気だから、心配しないで」
にこやかに返す会話が心地いい。魔法少女のでなければ世話好きのこの子はきっと慕われるだろう。不憫だな、とネミッサは思わずには居られない。なんとなく行き先を決めずに、二人歩き出す。上品な歩き方、話し方からして、マミのご両親はきっとマミにとてもよい躾をしてきたことが見て取れる。
「マミ、マミ、きこえるかい? 使い魔だ」
会話のなか、マミの表情が険しくなる。ネミッサには何が起きたかわからない。戸惑うネミッサに申し訳なさそうにすると、両手を合わせ謝罪の仕草をする。
「ごめんなさいネミッサ。ちょっと用事ができたわ」
「あ、え? なになに」
返事もまたずマミが走りだす。あの柔和な顔が厳しくなり、小走りになってネミッサから離れる。いきなりなことに面食らいながらもネミッサは後を追う。ほむらから聞いていなければそのままわかれていただろう。とっさにマミの身の危険を思い出したため、追随する形になった。
(だめだよ、死んだりしたら)
マミを追いかける。だが、本気になったマミの走力はネミッサの予想を超えていた。魔力を使い肉体を強化している走りだが、ネミッサとて並の体ではない。ぎりぎりのところで見失うことなくついていけた。
「マミちゃん、どうしたの!?」
「ネミッサ!? 危ないから離れて!」
「マミ、もう時間がない、巻き込まれる」
路地裏にいるはずだったが、周囲の景色が変わる。真っ暗な、それでいてファンシーな地獄絵図。使い魔の結界に巻き込まれた形になった。
それと同時に、マミの服装が変わる。先ほどまでの中学の制服から魔法少女の衣装に。ベレー帽にコルセット、ミニスカートが眩しい。袖やスカートの裾が膨らみ、動きに合わせてふわふわ踊る。魔法少女の衣装は、ほむらのもそうだったが、こんなに可愛いものなのだろうか。ネミッサはちょっとうらやましかった。
「ネミッサ、私から離れないで。いいわね」
早口でネミッサを制する。柔和なマミから、凛と声を張る戦士に早変わりする。力強く心優しい戦士は友達を守るために無限の力を発揮するだろう。
「うん、わかった。でもムリしないでね」
(本当に、ムリしないでね……)
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