過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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◆sIpUwZaNZQ
[saga]
2013/01/06(日) 21:40:41.12 ID:WjAemYY10
放課後になり、ネミッサは中学の校門そばにいた。ほむらと顔を合わせるのは心苦しいが、さやかやまどかと会う必要がある。だが、すぐに思い返したのは、向こうが勝手に警戒しているだけだ。信じてもらえないのは仕方ないが、自分の目的はほむらでなくてもマミたちを通じて達成することは可能だ。そう割り切ることにして腹を決めた。そうするとなんとも穏やかに待ち伏せが出来る。
(サヤカちゃんやマドカちゃんの心象は悪くなりそうだけどね)
ため息をすると、三人が現れる。当然といえば当然だが、ほむらもいる。だがここで怯んでいるわけにも行かない。三人に声をかける。
「やっほ。一昨日はありがとう」
「あ、ネミッサちゃん。腕はもういいの?」
ぐるんと右腕を回し、無事をアピールする。まどかは笑顔で応じるが、他の二人は渋い顔だ。ほむらはわかるが、さやかがあまりうかない顔をしているのが気になっていた。いつも思うのだが、ほむらが無表情とか誰が言ったんだ。マイナス方向の表情に関してはすこぶる豊かなのはどうなのだろうか。
「ホムラちゃん、昨日はありがとう。美味しいシュークリームだったわ」
ぴくっと、ほむらの片眉が跳ね上がる。
「あ、ホムラちゃんもお見舞いに行ったの? 私達もねシュークリーム買っていったんだよ〜」
精一杯ニヤニヤしてやったため、ますますほむらの顔色が悪くなる。真意を知らないまどかは純粋に微笑んでいる。ネミッサに何かを言いたげなほむらだったが、想い人の無邪気な笑顔に言うに言えなくなっている。とはいえ、こんな事をして果たして仲直りになるのだろうか。多分、無理だと思う。
「ま、まどか、私はパトロールに行くわ」
「アタシも行こうか?」
「貴女は病み上がりなのだからじっとしてなさい。マミにはちゃんとグリーフ・シードを届けるから、そう伝えることね」
ほむらもさすがにまどかの前でネミッサとの不仲をおおっぴらには出来ない。こういう言い回しで断るしか無いのだが、額面通りの言葉で受け止めたまどかは、満面の笑みをしている。ほむらにはまぶしすぎて直視できない。
(ネミッサちゃんを気遣うほむらちゃん、優しくてかっこいい!)
だが、さやかはほむらを評価する一方、一縷の不安を感じていた。
今、この見滝原は魔法少女が二人いる。一方のマミは先の戦闘で心労をきたし、暫くは戦えない。魔法少女以外ではネミッサがいるが、怪我が原因で満足に戦えない。ほむらはたった一人、見滝原を守らなくてはならない。さやかにとって苦手なほむらではあったが、一人戦場にいかせるのは辛かった。
また疑った手前、ほむらに負担をさせるのは心苦しい。さらにはネミッサである。彼女は魔法少女でないにも関わらず戦いに身を投じ、右腕を犠牲にしてまでマミを守った。
さやかの心は、魔法少女に傾いた。
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