過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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63: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:41:21.72 ID:WjAemYY10
皆が仲良いことが嬉しいのか上機嫌のまどかと、それとは対照的なさやかの表情。いつもと真逆の状態で下校する。気になってまどかにネミッサが問う。

「マドカちゃん、サヤカちゃん何かあったの?」

「え? あ……、うん、昨日上条くんのお見舞いの後から……ちょっとへんなんだ」

思い直し、浮かれている自分を恥じているようだ。そういうことに気づきにくい純真さと、気づいた時に恐縮する優しさがまどかの良さでもあり、可愛さでもある。
実際には、さやかは上条と口論というか、一方的な八つ当たりを受けたようだ。あとから聞いた話ではこの日検査の結果がでて、医師に「諦めろ」と言われ自暴自棄になったとのこと。
だが、これには少々疑問が残る。いくらなんでもそのような言い回しを医者がしたとは考えにくい。恐らく、落ち込んだ上条がそう解釈し、さやかに辛く当たったのか真相ではないだろうか。ともあれ、さやかの心に上条が深い傷をつけたことには違いない。

「あはは、私なら大丈夫だよ。ごめんねネミッサ。せっかく治って会いに来てくれたのにねー」

マミのときもそうだが、空元気は見ていて辛い。ふつふつとネミッサは怒りが湧いてくる。辛い時期支えているさやかに甘えているようで、苛立たしい。さやかには悪いが彼女は男を見る目がないのではないか、そう思ってしまう。少なくともこの魅力的な女性が頻繁に見舞いに来るのに気づかないほうがどうかしている。鈍感を通り越して、わざとやっているのではないかと思うくらいだ。
そんなヤツに一度きりの奇跡を、自分の人生を使うなんて。ネミッサはそう思う。だが一方でそこまで一途になれるさやかに一種の羨望を感じざるを得ない。一般に「重い女」とされてしまうのだろうが、さやかはサバサバした少女だ。きっといいパートナーになれるはずだ。そんなさやかにそんな鈍感男は勿体無い。

「いいってば、お見舞いのお礼になんか食べに行く? ゴチするよ?」

せめて今は明るく振る舞って、さやかを元気づけたい。こんな清々しい子が報われないなんて、酷過ぎる。

「おっ、覚悟したまえー、さやかちゃんは腹ペコなのです!」

「あはは、私もいっぱい食べちゃおうかな」

「ま、マドカちゃんまで何いってんのよ! ……お手柔らかにね?」

言った手前ネミッサはたじろいだ。

「だーめ」

二人が唱和した。少し元気が出てきたのをみて、ネミッサは安堵した。



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