過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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64: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:42:33.47 ID:WjAemYY10
「でさ、私魔法少女になろうかと思ってるんだ」

ファミレスでの軽食中、思いつめたような言い方でさやかが切り出した。願いはやはりバイオリニストの手だという。ネミッサは頭を抱えた。そんな宣言のために元気になって欲しかったわけじゃない。いっそ魔法少女の真実を洗いざらいぶちまけてやろうかと思ったが、ほむらに止められていては言い出せない。また自分もそんなことは言いたくない。あれは重すぎる。

「……決心は堅いのね」
以下略



65: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:43:06.12 ID:WjAemYY10
話が終わったところで、まどかがやっと大きく息を吐く。穏やかな話し合いではあったが、緊張感からまるで口を挟めなかった。それに気づいて、ネミッサはフォローする。

「マドカちゃんは、しないんだよね?」

「うん……みんなには悪いけど、私は……」
以下略



66: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:44:13.70 ID:WjAemYY10
おごりでだいぶ散財したネミッサは二人を見送った後、マミ宅に戻った。

「ただいまー」

「おかえりなさい。遅かったわね」
以下略



67: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:45:31.96 ID:WjAemYY10
「久しぶりだな。不在の時に来ていたようだが。すまんな」

「いいって。受け取るもんは受け取ったし、つかいないの知ってたし」

「ほう……。さて、今日はなんの用かな。研究で忙しいとはいえ、追い出すほど野暮ではない」
以下略



68: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:46:11.70 ID:WjAemYY10
「んー、なに?」

「あんた、巴マミを知ってるよな。どこいる?」

「ん? 今は学校だよ、あの子中学生よ?」
以下略



69: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:47:44.83 ID:WjAemYY10
放課後まで杏子とゲーセンで時間を潰した二人は、不思議なまでに意気投合した。ダンスゲームを華麗にプレイする杏子に遅れをとるネミッサは若干ムキになって挑む。そんな彼女を杏子は軽くあしらう。ビデオゲームよりも体を動かすほうがお互い好みのようで、仲良く喧嘩しながら遊びまくっていた。
時間になり学校前で待ち合わせる。ネミッサは最近ここで待ち伏せることが多くなったように思う。二人ゲームセンターの景品のお菓子を食べていると、学校からマミがでてきた。

「あ、きたきた。おーい、マミちゃ〜ん」

以下略



70: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:48:17.27 ID:WjAemYY10
「……いい加減にして……」

ボソリという声に、ネミッサの背筋が凍り付く。頼もしくもあり、恐ろしくもあるマミが戻ってきた形だ。ネミッサを押しのけ杏子の前に立つ。よく、守る姿を母猫に例えることがあるが、マミのそれは子連れの母熊に似た威圧感を見せていた。魔法少女に変身してもない、両手をだらんと下げているのにもかかわらず、吹き出す威圧感は杏子を圧す。だが、杏子もひるまない。

「へっ、簡単に行くとは思ってないけどよ、あんたの弟子だった頃よりあたしも強くなってんだ」
以下略



71: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:49:49.07 ID:WjAemYY10
マミとネミッサは帰り道、さやかの話をし続けた。学校で話をした限りではもう契約を決めたようだ。マミも説得を試みたようだが、残念ながら上手く行かなかった。そんな思いからマミは元気が無い。時間的にはそろそろ契約してしまっていると思い、二人とも暗澹とした気分でしか無かった。

「マミちゃんでも無理か」

確かに、『危険なほど自分の意志の強さの証になる』のなら危険度からの説得は無理。叶えたい願いが現代医学で叶えられないのだからその面の説得も無理。加えて、彼女の正義感には街のほかにまどかのことまで入っている。誰がしたところで難しい。
以下略



72: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:50:28.80 ID:WjAemYY10
その翌日からは、魔法少女になるためのさやかの指導が始まる。世話好きなマミは嬉しそうに説明していた。嬉しいという晴れの表現が望ましいとはいえないが、少なくともマミはさやかを死なせないため、正義の味方にする努力を望んでいた。戦い方は遠距離近距離と違うが、魔力の使い方や心構え、魔女への対応などを指導する。
ネミッサは指導から外れている。魔法のシステムやら戦い方が違いすぎる。そもそもソウルジェムがないのだから仕方ない。

「気に入らないの?」

以下略



73: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:52:19.30 ID:WjAemYY10
さやかの教育を外れたネミッサは、終日天海市にいた。さやかのことはマミに任せるしか無い。可能であればさやかを杏子から守りたかったが、頼って欲しいというマミの願いに応じることにした。自分には自分にできることがある。そう信じて。幾つも訪問先をめぐり情報や武器を回収するとその晩遅く帰宅した。
頼んでいくらも日数も立っていないのにかなりの収穫があった。特に、研究や情報は非常に多くの話や資料が集められた。あのサマナーの相棒というだけでこれだけの人が自分に力を貸してくれる。

(私は頼っていいんだ。マミちゃんだけじゃない。みんなに、ホムラちゃんに)

以下略



74: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 21:52:46.76 ID:WjAemYY10
契約の詳細を知らせずゾンビにさせられたことを激昂する杏子、呆然とするマミ。その横で、ほむらが回収したソウルジェムにより息を吹き返したさやか。
そして、真っ青な顔で立ち尽くすまどか。
ネミッサの心は嵐だ。事実を知っているほむらや、強靭な精神力でねじ伏せる杏子はいい。なりたてのさやかやマミはどういった反応を示すか全く予想がつかない。特に、QBを家族のように思っていたマミの心理状態が恐ろしい。長年に渡って騙されていたことを知り混乱しているかもしれない。
元々、信条の合わないさやかと杏子の殺し合いの場としてここに集まったはずではあるが、全員があまりの衝撃により戦うことができなくなってしまった。まどかはさやかを抱きかかえ、心もとない足取りで帰る。一方マミはその場にしゃがみ込み立ち上がれない。

以下略



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