過去ログ - ネミッサ「いつかアンタを泣かす」 ほむら「そう、期待しているわ」
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83: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 22:03:33.46 ID:WjAemYY10
正直に言えば、杏子やマミにさほど危機感はない。家出少女の杏子の例もあるため、どこか楽観視していたのは否めない。だがネミッサは違った。そのままにしておけば何が起こるかを知ってたため、捜索に費やすせるよう徐々に睡眠時間を減らしていった。
それはまどかも同じだった。さやかにきつい言葉を浴びせられたとはいえ、放っておけるような性格ではない。門限ギリギリまで探し回っていた。靴は磨り減り、息も絶え絶えになって、ベンチに腰掛けた。
その隣にQBがいる。何がしか話をしているようだ。

「さやかちゃんが言ってたけれど、私には凄い素質があるって…。本当?」
以下略



84: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 22:04:03.27 ID:WjAemYY10
さやかを魔法少女として支えていたものが徐々に崩れようとしていた。
恭介への告白が出来なかったとき愛が崩れ、仁美を見殺しにしようと考えたとき正義感が崩れ、心配するまどかに辛く当たったとき友情が崩れた。その彼女に残されたものは街を人を守るという義務感だけだった。本人が崩れたと思い込んでいるだけではあったが、彼女の心を蝕むには充分な痛みだった。
そして、目の前でガラの悪いホストが貢ぐ女性をなじるような発言を聞いたとき、そしてそのホストを魔力を使い攻撃したときその義務感も崩れた。
終電間近の駅のホーム、誰もいないベンチに力なく座るさやか。それを発見したのは杏子だった。魔力を使った痕跡を感じ、駅構内に探しに入ったのだった。感情に任せて失踪したにしては穏やかな様子に安堵した杏子は、ホッとした表情で近づいた。

以下略



85: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/06(日) 22:09:24.76 ID:WjAemYY10

筆者です。

映画版同様、キリのいいところですので、ここで本日は区切ります。
大雑把にここらでテキスト分量の三分の一といったところです。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/06(日) 22:40:42.95 ID:K9cYRHgB0
結局さやかは助けられなかったか…


87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/07(月) 01:20:02.19 ID:m3xtEeuzo
>>85
相棒出番無いん?


88: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:16:16.03 ID:i9eeC+ki0

筆者です。

今夜三章の後編をお送りいたします。

以下略



89: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:17:18.53 ID:i9eeC+ki0
杏子は結界の中にいた。腕の中には身動ぎひとつしないさやかを抱きしめ、騎士風の鎧を身につけた魔女と対峙していた。だが、杏子の方は戦いに望む精神状態ではない。
『魔法少女が魔女になる』という驚愕の事実に囚われて動けずにいた。
それを救出したのはほむらだった。戦えない杏子の腕を取ると時間停止を駆使し離脱を行う。杏子はそれでほむらの手品を理解した。そして同時にほむらの強さの根源を知り、飲まれたように唯々諾々と従った。
結界から出て、行き着く先はちょうどまどかの座るベンチのそば。ほむらは何かを狙ってそこに移動したのであろうが、杏子は混乱して、そこまで気が回っていない。
さやかの『遺体』をまどかに見せるつもりのようだ。まどかの契約の意思を完全に挫くつもりだったが、先のまどかとQBをの会話から、それは得策ではないと思ったのだろう。何も言わずただ立ち尽くしていた。
以下略



90: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:18:24.70 ID:i9eeC+ki0
立ち直ったマミは、泣きじゃくり続けるまどかの肩を抱く。なんでこうも自分が辛い時に彼女は人を慮ることができるのだろうか。気高い優しさ。ネミッサは、マミの友人になれたことを誇らしく思う。そして、その友人に出来ることをしたかった。涙を拭うまどかのためにも、さやかのためにも。
そのためにも、ほむらに向き合う。

「アンタも協力しなさい」

以下略



91: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:18:54.52 ID:i9eeC+ki0
ネミッサは業魔殿に行く。

「メアリ、遅くにゴメン」

受付で書類を整理していたのだろう、メアリが顔を上げる。その顔に明確な表情は浮かんではいない。なまじ表情が多くて迷惑そうな顔をされても困るのだが。
以下略



92: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:19:53.68 ID:i9eeC+ki0
日付が変わってから見滝原に戻ったネミッサは、音を立てないように静かにマミのマンションに行く。幸い、合鍵を預っていたので静かにドアを開ける。……まぁ、そこに、マミが起きて待っていたわけだが。
傍から見てわかるほど怒っていた。どうもマミはネミッサを過保護に見る傾向にあるのだが、今夜の勝手な夜遊びを待っているとは思わなかった。

「そこに座って」

以下略



93: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/01/07(月) 21:20:42.75 ID:i9eeC+ki0
「時間を巻き戻すことができるのが、アンタだけだと思う? アタシもできるんだよ。条件付きでね」

ほむらの表情にはっきりと驚きが浮かぶ。ほむらの頭の中にネミッサが自分と同じ時間遡行者という考えがなかったわけではない。だが、自分の能力の特異性から、その確率が低いと踏んでいた。故に、自分と同じ情報を持つネミッサを一時は敵と認定したのだ。だが、ネミッサにも誰にも未だ時間遡行のことは話していない。それだけでもほむらには充分衝撃だった。

「少し整理する時間をあげる。他の子にはアタシの生い立ちをね。信じてもらえるか、わからないけど」
以下略



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