過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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21:>>1[saga]
2013/01/11(金) 23:31:23.49 ID:bpYk7R6AO
〜13〜

五和「スー……スー……」

神裂「五和……」

御坂達がピカデリー・サーカスより移動を始めたのと同時刻、早くも夜の帳が下り始めた日本人街にて……
ロンドン警察を振り切りアジトに戻って来た神裂は、ベッドに横たわる五和の寝顔を見つめながら呟いた。
腰掛けた椅子に凭れ掛からせた背中に重くのし掛かる重圧。御坂を取り逃がしてしまった事もそうだが――

神裂「(……御坂美琴と言いましたか。上条当麻の元恋人は)」

イギリス清教と学園都市の情勢が以前とはまるで異なる事にも起因する。それは上条達が打ち砕いた……
『プラン』の崩壊によりアレイスターは遠行、それと刺し違える形でローラ・スチュアートも引退した。
科学サイドと魔術サイドの衝突により、両陣営の指導者が代替わりすれば自ずと関係性も変わって来る。
これが一ヶ月前の情勢ならば自分が上条と御坂の間に入っても良かった。だが今はそれどころではない。

神裂「(その気になれば、彼女達を捕らえる事も出来たはず)」

その御坂を捨ててインデックスを追って聖ジョージ大聖堂の扉を叩いた上条を殴り飛ばしたのは神裂だ。
男として最低の、女にする最悪の仕打ちに対して。神裂とてインデックスは大切で、上条も大事だった。
故に許せなかった。同時に悲しんだ。何故この最悪のタイミングであのヒーローは来てしまったのかと。

神裂「(そうしなかったのは私自身がまだ迷っているから?)」

そして『二人目の上条当麻』は『死んだ』。インデックスと共に地獄に堕ちる事を選んで『死んだ』のだ。
神裂にはそれを止められなかった。ステイルはそれを止めなかった。それが今でも悔やまれてならない。と

五和「うっ……」

神裂「気が付きましたか?五和。まだ起き上がらないで下さい。頭部を強打したのですから。ええと――」

そこで五和が呻き、神裂が我に返り、額からズレたタオルを新しいものに取り替えようと立ち上がった。

五和「――ハイ」

神裂「喉も乾いたでしょう?今、水差しを持って来ますからね」

台所に向かう神裂の背中へと、ややひび割れた声で応える五和の

五和「(食蜂様)」

再び閉ざされた目蓋の裏に禍々しく輝く魔星に気付く者も無く。




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