125:絶ゴミ085 ◆59WingzUMY[saga]
2013/02/22(金) 23:42:18.70 ID:VmxGhIu70
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「そんなわけで、かれこれ三時間、海坊主の出現を待ってるわけだけど――」
「全っ然、でーへんな」
磯の岩の上で、薫と葵が言った。
『……誰に向かって言っているのですか?』
そんな二人に、背古井がトランシーバで質問をする。
「なんちゅうか、お約束」
葵は答えになっていない返事をした。
「そんなの絶対に出てこないわよ。海坊主なんて非常識なもの
いるわけないんだから」
紫穂はさっきからずっとぶつぶつとそうつぶやいている。
現在、背古井だけがボートで海に出て、『ザ・チルドレン』の三人は
見通しの良い磯で待機している。
何かあったときにはテレポートでどこにでも駆けつけられるようにという配慮だ。
「……むっ、あのネーちゃん!?」
ふいに、薫が何かに気が付いた。
その視線の先には物憂げな女性が一人、小高い岩の上にたたずんでいる。
「あの人がどうかしたの?」
「けっこう、ムネあるな。あたしより上だ!」
紫穂の質問に、薫は真剣な眼差しでそう答えた。
「なんちゅうか、お約束やな」
葵はため息をつきながら、先ほどと同じセリフを吐いた。
「でもさぁ、あんな美人でグラマーな人が一人で海を眺めてるとかさ、
ドラマにでもなりそうな雰囲気だよね」
「そうねぇ、さしずめ、愛する人を失って自殺する前のワンシーンってトコかしら」
薫のどうでもいい感想に、紫穂も同調した。
すると、その女性は『ザ・チルドレン』の会話が聞こえていたのか、
キッと三人をにらみつけて去っていった。
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