126:絶ゴミ086 ◆59WingzUMY[saga]
2013/02/22(金) 23:44:00.92 ID:VmxGhIu70
「ありゃ、もしかして悪いことしてもうたかな?」
葵がそんなことをつぶやいた、その時だった。
『ザ・チルドレン、ただちにこちらに急行してください! 海坊主が!
うわあああーー……ザー、ザー』
トランシーバーから緊急事態を告げる背古井の悲鳴が響いた。
「何が起きたの!?」
紫穂はとっさに、双眼鏡で背古井の方を覗き込んだ。
そこには確かに、海面から巨大な上半身を突き出した海坊主のような存在がいた。
「きゃああああああああああああああっ!!」
この世のものとは思えない絶叫を上げ、紫穂はまた気絶した。
「あー、もうこんなときに!」
「これもお約束やけども!」
葵は紫穂だけ民宿にテレポートさせ、自分と薫は海坊主のもとへテレポートした。
すでに船は沈み、背古井は必死に泳いでいる。
海坊主は突然あらわれた二人の少女に驚いているようだった。
「葵、背古井さんを連れていったん民宿に戻って! あたしはこいつを……」
薫はそう言って、宙に浮かびながら巨大な海坊主と対峙した。
「了解や!」
葵はすばやく背古井を回収して飛び去った。
『バケツをくれぇえ』
海坊主が言った。
不思議な響き方をするその声は、拡声器なのかそれとも妖怪のなせるものか。
海坊主の体はまるで海水がそのまま人型に整形されているかのように
液体質に見える。
そして、巨大な目と歯、それに舌がついていた。
超能力で操るとしてもかなりの超度が必要だろう。
「ない!」
薫はきっぱりそう答えた。
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