138:絶ゴミ094 ◆59WingzUMY[saga]
2013/02/27(水) 23:24:52.57 ID:kykUiIMv0
そして、海水は徐々に巨大な人の頭のようなものを形成していく。
「来たでぇ!」
薫がやられた分のリベンジマッチと言うこともあり、葵は意気盛んに飛び上がった。
「ひぃっ!!」
紫穂はさっそく、数珠と十字架とお守りをフル装備する。
『バ〜ケ〜ツ〜、よ〜こ〜せ〜』
上半身全部を現した海坊主に、葵は空中に浮いて対峙する。
「待て、葵!」
そして、今にも戦おうとする葵を、たむろが制止した。
「オレが海坊主の中にテレポートするから、葵は相手をひきつけながら
ボートごとテレポートして逃げ回ってくれ!」
「!?」
毅然と指揮をとるたむろを、葵はハトが豆鉄砲を食らったような目で眺めた。
「なんだ、不服か?」
「いや、たむろはん意外としっかりしてんねんな」
葵はメガネの位置を調整しながらそう答える。
「おまえなぁ……オレを何だと……」
たむろはハァっとため息をもらした。
「でも、相手が本物の妖怪やったら中に入った瞬間お陀仏かもしれんで?」
気を取り直した葵がようやくたむろに聞き返した。
「いや、大丈夫だ。オレには見える。ヤツの腹の中にゴミ置き場があるのが!
お前も瞬間移動能力者なら超感覚で何か見えるだろ」
「なんやて!?」
たむろの言葉にハッとして、葵は目を閉じ神経を研ぎ澄ませてみた。
瞬間移動能力者は、転送の能力だけではなく空間認識の能力も持っている。
その両方が組み合わさってはじめて瞬間移動は可能となる。
だから、すぐれた瞬間移動能力者は空間認識においても一流なのだ。
「……あ! あれは!?」
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