165:絶ゴミ115 ◆59WingzUMY[saga]
2013/04/06(土) 18:15:52.63 ID:4cRv0cfS0
その機影を確認した薫は、葵と紫穂を念動能力で持ち上げ、自分に引き寄せた。
そしてすぐさま、葵が自分ごとあと二人をテレポートさせる。
『ザ・チルドレン』の三人の、いつもの手馴れたチームワークである。
そのすばやさに、背古井は任務中だと言って止めるひまも無かった。
「三人とも、疲れてないか?」
操縦席に居た若い男が声をかけてくる。
「え、皆本さんまで!?」
彼は、紛れも無く皆本光一その人だった。
「やっほー、あたしもいるわよ」
さらに、ヘリの中には由羅も居た。
「でも、どうして?」
「ふふっ……こんな話を知っているかね?」
紫穂の質問に対して、グリシャムはいつもの口癖を前置きにした。
「五味たむろくんは合衆国での訓練生時代にとある犬と出合った。
その犬は軍用犬になるため訓練を受けていたのだが、妙にたむろくんになついた。
たむろくんは戸惑いながらも、同じ訓練生であるその犬に愛着を抱いた」
精神感応で感情を送り込みながら語りかけるグリシャムの話術に、
『ザ・チルドレン』の三人は、すぐに惹き込まれた。
「ちなみにこいつがその犬ね、『駄ブル』って言うの」
由羅はおっさんのような顔をした、小柄な犬を抱き上げて見せた。
「二重って意味の『ダブル』とかけとんのかな?」
葵がたむろの微妙なネーミングセンスに首をかしげる。
「しかし! この『駄ブル』は能力が足りず、処分されることになった!」
そこで急に、グリシャムは顔を「くわっ」と凄ませて、悲しい感情を送った。
「処分って……そういうことね……」
「えっ、そんなっ!?」
「それだけで死ななあかんてひどいやろ!」
三人はそれぞれグリシャムに訴える。
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