172:絶ゴミ120 ◆9ykK02ROec[saga]
2013/04/29(月) 23:45:56.54 ID:lAzAdbvB0
が、薫と由羅の二人は象からいっさい視線を離さず、むしろ自分からにらみつける
ように象と視線を合わせた。
「薫っ、今の超度4相当の念動能力では危険だ!」
皆本の制止も、ききはしない。
「あたしにケンカを売るとはいい度胸してんじゃん!」
「目をそらさないってことはやる気かしら?」
そうして仁王立ちする人間の女二匹に対し、象は長い鼻をムチのようにして
横なぎに振るってきた。
薫と由羅に当たる直前で、象の鼻は薫の念動力に防がれて止まった。
「なめんじゃないわよ!」
そして由羅はその鼻をつかんで象を投げ飛ばした。
「ぞ、象が出ても由羅ちゃんがいれば安心か……」
この樹海の中でも象を投げ飛ばすほどの由羅のパワーに、皆本は冷や汗をながした。
「鼻の攻撃もあたしの超能力で防げる程度みたいだし、
象っていってもそんなもんか」
薫はそんな余裕の言葉を漏らす。
「象はとても賢い動物だ。油断をしてはいけないよ」
グリシャムがそんな薫をいましめる。
「危ないで! あいつなんかもっとる!」
そのとき、葵が叫んだ。
しかし由羅も薫も身構える暇もなく、象はすばやく鼻に掴んだ刃物を
振り回してきた。
「うわっ」
薫はかろうじて超能力で防ぐが由羅はそういう手段をもたない。
「きゃぁっ!」
ギリギリで避けるものの、その衣服を切り裂かれ、胸元をはだけてしまった。
とっさに由羅は胸をかくす。
「由羅ちゃん、大丈夫!? 怪我は!?」
すぐに、薫は由羅の前に駆けつけ、胸を隠す腕をむりやり開こうとした。
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