174:絶ゴミ122 ◆9ykK02ROec[saga]
2013/04/29(月) 23:52:27.75 ID:lAzAdbvB0
背古井が首をひねる。
「あ、危ないわ!」
そうしている間にも象の鼻が落とし穴の下から伸びてきた。
そして、今にも葵を襲おうと迫りくる。
「ふ……甘いやっちゃな。諸葛亮孔明を舐めすぎやで」
目の前まで迫ってきた象の鼻を前に、葵は落ち着いてメガネの位置を直して見せた。
「こんな話を知っているかね? 優れた戦術家は常に策を二重三重に仕込んでいる
ものなのだよ」
グリシャムがそう言うのと同時だった。
大量の土砂が落とし穴に落ちた象の上にいっぺんに降り注いだ。
その衝撃に象は大きな悲鳴をあげる。
やがて、落とし穴と土砂の隙間から鼻だけを出して、象は動きを止めた。
「土砂を上空に瞬間移動させたのか……」
皆本は葵の新技に驚きつつも、怪我をさせる恐れがありすぎて人間相手には
使えないなとため息をついた。
パチパチパチパチ
そうして象を倒した一行に、茂みの中から拍手が送られた。
「キミたちは……?」
「いやぁ、あの象を倒すとは並みのエスパーではあるまい」
グリシャムの質問には答えずに、上半身裸の老人が現れる。
「象が倒されて良かったですね、長老」
老人に続いて、これまた上半身裸の男がやってきた。
さらに、後ろからぞろぞろと何人もの人間が現れる。
「樹海の奥深くにこれだけの人間が?」
さしもの皆本もあっけにとられた。
「いいじゃん、怪我を確認するだけだしちょっとぐらい見せてよ」
「いい加減にしてよ、あたしは女同士とか不毛なのは勘弁だから!」
一方、薫と由羅はまだ続けていた。
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