過去ログ - 絶対可憐ダストスパート!!
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2:絶ゴミ001 ◆59WingzUMY[sage]
2013/01/12(土) 12:41:12.70 ID:zcq42nJF0
「そうか……もう行くのかね?」

顔に傷のある老人が問いかけた。老人はかなりの高翌齢であるにもかかわらず
背筋は真っ直ぐに伸び、体格もがっしりとしている。

「言う前から分かっちゃうとは流石……ええ、お世話になりました」

十代後半ぐらいだろうか。
まだ若い、いかにも東洋人といった顔立ちの男が握手の手を差し出した。

「大佐とはまた会うことになるんでしょ? 日本で」

その若い男の隣に、同じぐらいの年ごろと思われる女が居た。
黒髪を切りそろえずナチュラルに太ももまで伸ばし、野性味を感じさせている。

「ふふ……そうだね。一緒の便で行けないのが残念だよ」

老人は、若い二人それぞれにがっしりと握手をした。

「それでは、母国での健闘を期待しているよ。五味たむろ(ごみ たむろ)くん、
炎上寺由羅(えんじょうじ ゆら)くん!」

「ええ、グリシャム大佐もご達者で!」

「養生してね、大佐」

そうして二人の若者と老人は分かれた。

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「HCIA(ヒノマルシーアイエー)?」

皆本(みなもと)は首をかしげた。

「正式名称は『日の丸中央情報局』だヨ。古い上に情報公開していない
諜報組織だからネ。皆本クンが知らないのも無理はない。だが、コメリカの
支援の元に戦後すぐに作られたこの組織は、現代まで存続していたのだヨ」

桐壺(きりつぼ)局長はホワイトボードを棒で指し示しながら説明をした。

「コメリカの支援って……実質は占領統治策のひとつだったんじゃないですか?」

「さすが皆本クン。察しが良い」

皆本の質問に、桐壺はうなずいた。
コメリカとは新大陸にある大国であり、正式名をコメリカ合衆国という。
70年ほど前日本はその国に敗戦し、一時はコメリカの占領下におかれていた。

「HCIAは日本の組織なのだが、コメリカの指示で動いていた。
しかし日本の国力が回復し、コメリカと利害対立が起こるようになると
HCIAは日本からしてもコメリカからしても敵とも味方とも分からない
扱いにくい組織になってしまってネ……その結果予算を削られ続け、
このたびついに組織解体となったのだヨ」



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