48:絶ゴミ034 ◆59WingzUMY[saga]
2013/01/23(水) 23:32:04.13 ID:5+CP2roA0
「小伝馬高校……都内でも有名な札付き学校だ。
全寮制で生徒は携帯電話等の通信機器の所持を禁止されている。
……つまり、中で何をやっているかほとんど分からないということだ」
皆本がたむろと由羅に説明した。
「その学校で反エスパー教育をしているっていうの?」
由羅がたずねた。
「今の段階では、『かも知れない』としか言えない。文科省の須磨さんに
調べるようにお願いしたんだけど、小伝馬高校側は立ち入り調査を拒否している」
皆本がそう答えると、たむろは面倒臭そうな顔をした。
「そういう真っ当なやり方してるウチに向こうも対策を練ってくるんじゃないか?」
たむろの言葉に皆本はうなずいた。
「ああ。役人が来たときだけ誤魔化すってことは多かれ少なかれどこでも
やってることだからね。証拠隠滅する時間的余裕を与えるべきではないだろう。
そこで――ボクが教師として小伝馬高校に乗り込み潜入捜査をすることになった」
皆本はそう言ってから、かるくため息を漏らした。
「え!? よくそんな作戦に許可が出たわね」
由羅が驚いた。
諜報機関であるHCIAならいざしらず、バベルは真っ当な行政機関のはずだ。
超法規的活動を行える状況はごく限られている。
由羅には、今回のことがその限られた状況には思えなかった。
「うん……本当はまずいと思う。しかし局長がどうしてもすぐ調べろってね」
「あちこちで陰口叩かれるわけだな、あのオッサンも」
冷や汗を流しながら答える皆本に対し、たむろはあきれた様子を見せた。
「まあ、そんなわけでボクはしばらくアパートに戻れない。
そこで、その間たむろくんが行っててくれないかい?」
「え、オレが!?」
たむろは慌てた。
「キミはまだ宿直室に仮住まいだろう? ボクが指示を出すまでは出動も
ないワケだし、最低限の家事をしてくれるだけでいいんだ」
「別に由羅でもいいんじゃないか?」
いきなりの集団生活ということに戸惑いがあるのか、たむろは由羅に振った。
「あら、私はもう呉竹寮に定住してるわよ」
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