過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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◆wPpbvtoDhE
[saga]
2013/01/27(日) 01:31:57.36 ID:aYb1y31F0
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日が沈んで結構な時間が経過した。空気は次第に冷たくなってきたが、まだ心地良いと感じられる冷たさだ。
数日前までの水無瀬なら、時折ケータイで時間を確認していただろう。
この国に来てからは時刻を考える必要がなくなったことは、一つの嬉しい出来事だった。
広州から北京まで縦断ルートを選び、現在は暗闇の山西付近を突き進んでいた。
水無瀬(ん・・・道がマシになってきたな)
中国には度々訪れたことが何度かあるものの、ツーリング目的で足を踏み入れるのは始めてである。
予想はしていたが都市部以外は殆どの道が舗装されていない。
街灯すら無いような場所ならそれが普通だ。舗装されたアスファルトは珍しい。
水無瀬(ガスはあと5か。予備缶合わせて11)
ガソリンの残量を計算するため、走行メーターへと目を向ける。
旧車に近い年式のバイクということもあって残量計などというデジタルな機械は付いていない。
だがそれで良かった。愛車を知り尽くすことが仕手の義務とさえ思っている水無瀬なら、腹の減り具合などいとも容易く把握出来る。
水無瀬(晋中まで余裕なら・・・)
―――――ボロロロロォオォオオッ!!
5000rpm5速で走っていたギアを一速落とした直後、アクセルの捻りと共に二気筒ののサウンドが跳ね上がる。
水無瀬(っし、グリップする!)
段々と道が開けてきた。黒い砲弾にも似たヘッドライトが白く行く先を照らしてくれた。
人気の無いワインディングロード。水無瀬もとい愛車であるエリミが好物とするステージ。
―――――ォォオオオゥンッ!!!!
ひらりひらりとタイヤの端付近まで慣らした後、回転数を11000rpmまで跳ね上げる。
レッドゾーンまでは使わないものの、パワーバンドを使った加速は味わい深い。
その見た目と裏腹に軽量なバイクは、ステップをアスファルトに擦らせて火花を散らす。
水無瀬「・・・!・・・」
次第に、水無瀬の心は攻めることへと心を奪われる。
バイクが響かせる音は、それを共感してくれるかのような畝ねりであった・・・・・。
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