過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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53: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/02/21(木) 01:02:59.47 ID:PjVVij7u0


菖「口、開けて」

水無瀬「は?」

菖「早く!!」

水無瀬「んぅ!?」

勿体ないからと言わんばかりに人差し指を水無瀬の口内に突っ込むと、驚きから素っ頓狂な声が漏れた。


水無瀬(っ、ん・・・?)

水無瀬「!!?」

口の中に塩辛くて苦い鉄の味が広がった。
そこまで多くの血を飲んだわけではない。実質は数滴分といったところだろう。

水無瀬(なんっ、だコレ!?)

全身を駆け巡っていた痛覚を、慈しみが撫でるかのような感覚。
軋みをあげていた細胞の一つ一つが活性していく。擦り傷があった手首を確認すると、瘡蓋にまで回復していた。



水無瀬「すっげ、ぇ」

先程まで強ばっていた筋肉が嘘のように軽い。
掌をわきわきさせて感覚を何度も確かめる。


菖「これが私の血だよ。連中が躍起になって追い回すだろう理由」

水無瀬「お前・・・不死身か?」

回復力は血が齎すものだと解れば、大体の結論としてはそうなるだろう。実際は不死身なんかじゃないが。


菖「・・・・・」

血の効力を確かめさせたほうが話が早いと思った。

だが、それよりも・・・・・水無瀬がどういった反応をするのかが気になる。
どういった用途に転じようとするのか。


水無瀬「きっついな・・・」

水無瀬「元に戻る方法はあるのか?」

菖「・・・えっ?」

水無瀬「いや、だから普通の人間に戻る方法」

これは予想外の答えだった。何故そこに行き着く?


菖「いや、わかんない」

水無瀬「マジか・・・探すしかねぇだろ」

菖「水無瀬、なんでそう思うんだ?」

水無瀬「なんでって、そりゃあ」

やっぱり水無瀬の考えることは今一つ理解し難い部分がある。
誰もが欲しがるような治癒能力。普通に考えても妖魔なんかよりよっぽど使い道があると考えつくはずだ。



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