49: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/04(月) 02:27:39.49 ID:SPTNzKwso
【 虹色めがね 】
50: ◆T6URQJJiS6[sage saga]
2013/02/04(月) 02:28:42.63 ID:SPTNzKwso
おやすみなさい
51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/02/05(火) 17:57:23.42 ID:e5/5RljRo
乙だ!
52: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:49:26.81 ID:aNOXkH5vo
世界中の鉄道員の間で語り継がれている噂がある。
――列車の見る夢
53: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:50:16.76 ID:aNOXkH5vo
夜中に使われなくなった客車から窓の外を見ると、かつてその列車が走っていた車窓の風景が写るというのだ。
誰もいない苔むした、時間が止まったような不気味な車内で、一人冷たく堅くなった座席に座り煤けた窓に目をやる。
54: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:51:20.46 ID:aNOXkH5vo
ガタゴトと揺れる振動。
ざわつく車内。
線路を走る車輪の軋み。
55: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:51:57.69 ID:aNOXkH5vo
年老いて使われなくなった列車の見る夢。
物悲しくもどこか暖かなその噂は、今も彼等の間で語り継がれている。
56: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:53:02.73 ID:aNOXkH5vo
だが、この噂はまだ終わりではなかった。
けして削られてはいけない尾ひれがあったのだ。
57: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:53:52.52 ID:aNOXkH5vo
もしこの幻を見たら、楽しむのもそこそこに目を逸らさねばならない。
それが遠い望郷の山並みでも、乗り親しんだ海沿いの風景でも、目を奪われるような絶景でも、必ずだ。
見惚れてしまいずっと目をそらさずにいると、窓の外を流れる景色が徐々にその速度を落としていく。
58: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:54:45.88 ID:aNOXkH5vo
そこには人影がまばらに並んでおり、皆一様に楽しげな笑顔を浮かべているのだ。
中には手を振ってくる者もいる。
そんな彼等の前で、列車は止まる。
59: ◆T6URQJJiS6[saga]
2013/02/10(日) 01:55:53.47 ID:aNOXkH5vo
父が。
母が。
兄が。
姉が。
弟が。
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