過去ログ - ゆるゆるフォークロア
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/29(火) 03:27:57.37 ID:tCN5p88zo
何度も同じ質問をして、何度もそれに答え、挙句の果てにはとろいとまで言われる。
そんな彼だから、相手は馬鹿に決まっているという型にはまった思考から抜け出せない彼だからこそ、ゆかは安心して側にいることが出来る。


この人は、絶対に宇宙人を信じない。
以下略



7: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/29(火) 03:29:35.38 ID:tCN5p88zo


【 宇宙人と呼ばないで 】


以下略



8: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/29(火) 03:30:02.31 ID:tCN5p88zo
おやすみなさい


9: ◆T6URQJJiS6
2013/01/30(水) 02:37:11.15 ID:nBLz0ahUo


――祖父は光より速かった。

顔なじみの男が晩酌を交わすたびに話す身内自慢のひとつだ。
以下略



10: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:38:07.95 ID:nBLz0ahUo

彼の祖父はそれはもう快男児ここにありと言わんばかりの妖怪であったらしい。
直接お会いしたことはついぞなかったのだが、その聞きしに勝る逸話の数々は私の住む田舎にまで届くと言えば、相当のものだと推して図ることも出来よう。


以下略



11: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:39:19.79 ID:nBLz0ahUo

人の世が栄え、鉄の馬がそこかしこを駆け抜ける世の中になって妖怪たちはそれはもう困り果てたそうな。
あんなにか弱かった人間が妖怪を恐れなくなっていったのだ。

――俺は生まれちゃいねぇが、相当苦労したらしいぜ。
以下略



12: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:40:48.86 ID:nBLz0ahUo

ある者たちは山に。
ある者たちは海に。
ある者たちは谷に。
そしてある者たちは人の住む町の暗がりに。
以下略



13: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:42:02.77 ID:nBLz0ahUo

そんな韋駄天も寄る年波には勝てないのか、ついに膝をつくことになってしまう。
相手は東海道新幹線0系、通称『こだま』
日本に初めてできた新幹線だ。

以下略



14: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:43:03.41 ID:nBLz0ahUo

その時のハヤブサの顔は今でも妖怪の間では語り草だ。
時代は変わったのだと、誰もが痛感させられたらしい。

江戸が終わり。
以下略



15: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:44:18.23 ID:nBLz0ahUo

しばらくして戻ってきた彼の手には、どこからくすねてきたのか大吟醸が握られていた。
どこまで話したか、などととぼけつつコップを片手に手酌をする彼。
ハヤブサが負けたところだと話してやればわざとらしく頷いてきた。

以下略



16: ◆T6URQJJiS6[sage]
2013/01/30(水) 02:45:44.92 ID:nBLz0ahUo
こだまに負けて以来、だんまりを決め込んでいた彼の目に浮かぶのは赤々と燃える灼熱の炎。

男ハヤブサ120歳。
還暦を二週してなお年老いた体は燃え尽きてはいなかった。

以下略



71Res/25.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice