過去ログ - 透華「この裸単騎には魔法が掛けてありますわよ!」衣「片腹大激痛!」
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5: ◆ttcnBecwyw[sage saga]
2013/02/08(金) 04:06:51.42 ID:hofuWirs0



透華「……しかし」



しばらくして熱暴走していた透華が、唐突に何かに気づいたようにはたと元に戻った。


透華「私たちはそうやっていくらでも対局相手を変えることができますが、衣はそうはいきませんわよね?」



そうやってというのは、先刻の呪文の内容に掛かっているようだ。なんだかんだで、何らかの思考プロセスは辿っていた

らしい。


衣と卓を囲むことに常人は堪えられない。

衣――とくに満月のときの衣――には、ただそこにいるだけで他者を畏怖せしめる雰囲気がある。透華の父をして『理解

の外にいる』と言わしめる衣の持っている『何か』は、空間を共にすることにさえ資格を必要とさせるのだ。

衣は麻雀で他人を壊せるのである。そしてそうならないための敷居は、高い。

それ故に、衣は孤独だった。そんな衣の孤独を埋めようとして、透華が全国から集めたのが智紀であり、純であり、一で

ある。

3人とも衣と打っても壊れない精神力があり、また打ち解けて友人となるほどに衣とはウマが合った。

惜しむらくは衣と打てても衣に勝てない所であろうか。半月でも場合によっては今日のように手も足も出なくなり、満月

では言わずもがな。



――孤独は癒せても孤高から抜け出させることはできない。

それほどに衣は特別な場所にいたのだ。



透華「もう新学期になりましたし、インターハイの地区予選も秒読みですわ。今のままでも私たちが負けるとは思いませ

んが、ここ最近はこの面子で打ってばかりです。たまには違う方と卓を囲むのも、練習や気分転換の意味では悪くはない

かもしれませんわね……」


だが、問題はいくつか存在する。

この学校にはもう自分たちと打つ者はいない――以前麻雀部にいた部員たちは透華たちがボコボコに伸して(麻雀で、で

ある)追い出した。

しかも、誰でも良いというわけではない――今のメンバーは去年全国大会まで行って、特に衣はMVPだ、余りレベルの低い

者は好ましくない。

しかし他の強豪校と練習試合をするという選択肢もイマイチ――あまり外部に情報は出さずに大会に臨みたい。その方が

今年、去年以上の強さで大会を勝ち抜いていくときのインパクトが強い。つまり目立てる。



――すると残る選択肢は……。



透華「プロの方でも呼ぼうかしら……?」



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