11:10[sage]
2013/02/11(月) 15:11:59.23 ID:FyZPuZNm0
「私が、貴方が貴方であることを――、"須賀・京太郎"が"須賀・京太郎"であることを望んであげるっすよ」
声が来る。
「私もかつてそうだったっす。私を望む誰かが居てくれることを望んで、そしてその望みはかなった。だから、かつての私の位置に居る須賀君を私はほっておけない」
ねえ、と、
「私は、私は望むっす。須賀君が須賀君であることを」
だから、と、
「だから須賀君にも一つお願いがあるっす」
それは、
「私が私であることを望んでください」
桃子は笑って、
「"東横・桃子"と言う存在を見つけることのできる貴方に"東横・桃子"と言う存在を望み、認めてほしい。そう望むっす」
〇
桃子は既に理解していた。
加治木との別れはいつか来る。必ず。必然を必然的に行うように。
このままではいけないということも、理解している。
――だから、まずは一歩として、
「いかがっすか」
桃子は控えめに問う。
京太郎は告げた。
「喜んで」
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