過去ログ - 京太郎桃子の話
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27:白桃
2013/02/11(月) 20:04:16.34 ID:FyZPuZNm0
 比喩的に言うのなら、貫かれたというのが正しい。
 異物が無理に自分の中へ入ってくるような感覚を思い、しかしそれを望んだのは自分であるということを捉え、それゆえにその異物の侵入を許した。
 それは一線を越えた証でもあり、
 ――互いの"望み"が変化する境界線、っすよね。
 いまだに熱が肉体から取れない。そもそも自分の動きがどこにあるかする今だ理解できておらず、
 ――けど、
 それを心地よいと感じる自分が確かにあることを理解した。
「痛いか」
 声がかかる。
「痛いっすね」
 だからそれに対し、素直に答えを返し、
「そうか」
「そうっす」
「少し、休むか?」
 いえ、と、
「休めば、覚めるっすよ」
 そうか、と、言葉を聞き、
「なら、いく」
 動きが来た。
 痛みがある。それを感じ、しかし多幸感があり、
 ――意志の、所在っすよね。
 科学が進歩し、そしてさらに発展していけば、男が女を、女が男を必要としない時代が来るかもしれない。しかし、きっとそれは訪れることはないと思う。
 科学と技術の入りいれぬ隙間に、人間の"意志"があり、そしてその所在を男女互いに思い続ける限りは、その時代が来ることはないだろう。
 故に、桃子は求めた。京太郎も求めてくる。
 喘ぎ、
 貪り、
 組み合い、
 混じり、
 喘ぎ、
 語り、
 それを繰り返す。
 ――そして、
「あ、あああああああああああああ!?」
 果てが来る。際限がないなどあり得ないから、その思いの落としどころ、終着点に両者がたつ。
 それは、
「っ――、く」
 一つの終わりであり、始まりでもあった。



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