128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/19(火) 23:03:27.23 ID:5oVkFcZbo
「お兄ちゃん、お待たせ。叔母さん手作りのお食事だよ」
明日香が何やら黒っぽい物が乗った皿を運んできてテーブルに置いた。
「・・・・・・何? それ」
そう言った途端に赤くなっていた叔母さんが恐い顔をした。明日香はけらけら笑い出し
ている。
「ピザだって」
もはや笑いのせいでまともに喋れていない明日香が可笑しそうに言った。
「ピザって」
「まあ、普通は驚くよね。あたしも一応食べてみたんだけど」
「どうだった?」
好奇心もあって僕は明日香に聞いてみた。何しろ玲子叔母さんの手料理なんて見たこと
もないのだから。
「あたし、お兄ちゃんのいい奥さんになれる自信がついちゃった。叔母さんには感謝しな
いとね」
言われて見ると確かにピザかもしれない。円形の生地の上に赤いピザのソースとか溶け
たチーズとかが乗っている。でもそれはピザと言われたからそう理解できたのであって、
上面が黒く焦げているせいで初見ではその正体はわからなかった。
「どういう意味よ」
「だから叔母さんに感謝しているんだって」
叔母さんが真っ赤な顔で反論しようとした。
「で、これ食べたの? 味は」
「焦げたところを根気よく削っていくと食べられる部分が出てくるから、そこを食べる分
には普通に美味しいよ」
明日香の言葉に叔母さんがぷいと顔を背けた。
「じゃあ、僕も食べてみようかな」
「無理に食わなくていいよ。全くあんたたちには本気でむかつくわ」
叔母さんが言った。
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