過去ログ - ビッチ・2
1- 20
129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/19(火) 23:04:22.03 ID:5oVkFcZbo

 ・・・・・・やはり明日香は自分で宣言したとおり、僕たち三人が一緒にいても気まずくなら
ないように叔母さんと話を付けたらしい。今さらだけど、明日香の行動力には感心するし
かない。

「奈緒人、あんた本当にお腹空いてるの?」

 叔母さんが少し真面目な顔で僕に聞いた。正直に言うと食欲なんてあまりない。僕がそ
ういうと明日香と玲子叔母さんが顔を見合わせた。

「じゃあ、叔母さんのピザもどきの話はもうやめよう」

 明日香がそう言った。

「ピザもどきって何だよ・・・・・・。って、本当に奈緒人に話すの?」

「あたしはもうお兄ちゃんには何も隠し事をしないことにしたの。叔母さんだってそうな
んでしょ」

 なぜか叔母さんは赤くなって黙ってしまった。

「叔母さんがマンションの前にいるから助けろっていうメールがきたでしょ?」

 何も僕には隠さないと言った明日香が叔母さんの様子には構わず唐突にそう言った。

「あれってさ、叔母さんが取材に行こうとした相手のと同じアドレスから送信されてたん
だよ」

 例の脱法ドラッグの販売サイトのアドレスのことだ。僕はそれに気がついたことを明日
香には隠していたのだけど、明日香は自力でそのことに気がついたようだった。

「あたしもうっかりしてたよ。イケヤマって名前を聞いたときに気がつくべきだった。前
に明日香が襲われたときに明日香を助けた男の名前は警察の人に聞いていたのにね」

 冷静さを取り戻したらしい叔母さんが口を挟んだ。

「・・・・・・どういうこと?」

「池山はあたしの元彼だよ。お兄ちゃんも会ったことあるでしょ」

 金髪ピアスの男のことだ。そいつが明日香の元彼なのは知っている。

「あたしさ、ちょっと仕事でハーブ関係の取材をしてたんだけど、ちょっとした伝手でそ
の取材に応じてくれたのが高校生の池山ってやつなんだ。もっと早く気がつくべきだった
けど、池山って明日香を助けた元彼じゃん? 彼と会って取材してたときは全然気がつか
なかったんだけど」

 叔母さんは最初の取材のことや、その後追加で池山から取材しようとあいつに連絡し、
指定の場所に行こうとしたことを話してくれた。結局そのときは叔母さんは池山には会え
ず、その代わりに。

 嫌な予感が胸中に広がっていった。

「・・・・・・叔母さんを襲ったやつってもしかして」

「違うよ。取材したときに会っているから顔はわかってる。池山じゃない」

「名前だけが根拠なの?」

 答えはわかっていたけど僕は聞いた。

「叔母さんが取材を申し込んだ先のメアドが、あのときあたしの携帯に来たメールと一緒
だったの。あれって博之がハーブの販売サイトで使っているアドレスだもん」

 博之と池山のことを呼んだ明日香には悪気はないと思う。単に元彼のことを以前呼びか
けていた名前で呼んだだけで、それに嫉妬している僕がバカなのだ。それに今はそんなこ
とを考えている場合ではない。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
459Res/688.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice