過去ログ - ビッチ・2
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155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/27(水) 23:53:12.91 ID:/HL4si7bo

「平井だ。ああご苦労さん。様子はどうだ?」

 電話の向こうの声を聞いて平井さんの顔が曇った。

「そうか。とりあえずガイシャの身元は割れたぞ。池山博之っていう高校生だ。そう、そ
いつのこと」

「両親には連絡できるか? わかった。ちょっと待て」

 平井さんが明日香を見た。

「明日香ちゃん、池山の両親の連絡先はわかるかな」

 明日香は首を振った。

「博之はアパートで一人暮らしでしたし、ご両親のことは一言も聞いていません」

「そうか」
 そう言って平井さんは再び携帯に向って話し出した。「連絡先はこっちでもわからん。
署で調べさせてくれ。容態が変わったらまた連絡してな」

 平井さんが携帯の通話を切った。

「池山、どうなんですか」

「やばいらしい。意識不明の重態だと。今、前に明日香ちゃんが運び込まれた病院のIC
Uで治療中だそうだ」

 明日香が顔を伏せた。僕はその様子を複雑な感情で眺めていた。

「それよか何だっけ? 俺も偽警官の話とかもあるし、あまり時間はないんだが」

「僕たちの叔母さんのことなんですけど」

 僕はためらいながら平井さんに言い出した。

「叔母さんって?」

「覚えていませんか? 明日香が入院している病院にも来ていたいましたけど」

「ああ、一番最初に来たねえちゃんか。そういや親も両親もまだ来ていなかったから、あ
のねえちゃんに最初に事情を説明したんだった」

 ねえちゃんと言う言葉に明日香がびっくりしたように平井さんの顔を見た。でもまあ、
口は悪いけどこの人の言葉には嫌味や悪意はない。それに今はそんなことを気にしている
場合ではない。

「あのねえちゃん、ずいぶん若そうだったけどおまえらの叔母さんのなのか」

「まあ、そうです」

 僕にとっては本当の叔母ではないのだけど。


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