過去ログ - ビッチ・2
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355:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/27(火) 23:28:41.20 ID:UmNNo2dKo

 有希がそう言った。

「そういう問題じゃないでしょ。神島スポーツの件、あれが本当ならあたしはあなたのパ
パに利用されたことになるのよ」

 あたしは吐き棄てるように言った。奇妙なことにそれを聞くと有希は少し落ち着いたよ
うだった。

「本当は何となくそうかなって思ってたんだ。ああいう調査は唯ちゃんに任せておけば安
心だって、前にパパが言ってたからね。やっぱり唯ちゃんが発見してパパに話したのね」

 あたしはその言葉に黙ってうなずいた。

「パパのこと嫌いになった?」

「何言ってるの」

「あたしとパパのこと嫌いになった?」

 有希が繰り返した。

「有希ちゃんは何を言いたいのかな」

「さっきまでは震えながらあたしの言いなりになっていたくせに。裸にされても触られて
もあたしに逆らえなかったくせに」

「言いたいことがあるならはっきり言ったら?」

「パパに利用されたとか裏切られたとか、そんな可愛いことを考えているわけじゃないん
でしょ?」

 どうやらあたしの思わぬ強気に怯んだ有希が少しだけ態勢を整えられたのは、あたしの
ことを強請りやたかりの一種だと認定したせいのようだった。そんなことを平気で思いつ
くほど彼女の生活は荒んでいるのだろう。有希はあたしのことを大好きだと言ったけど、
大好きな人間に裏切られ強請られると知ったら普通の人間なら相当落ち込むと思う。けれ
ど有希には傷ついた様子なんて微塵もはなかった。

 むしろそういう人間的な醜い欲望を持つ相手に彼女は慣れているのだろう。そういう人
間を相手にする方が有希にとっては得意なのだろう。あたしの行動が有希にとって理由の
わからないものであったであろうさっきのような状況よりも、有希が強気になったことは
それを証明していた。

 つまり小さい頃からあたしのことが好きだったという有希の言葉はでたらめなのだろう。
それはあたしを自分に従わせるためのピロートークに過ぎない。やはりこの子は単なる性
的に逸脱した女子中学生というだけではない。そう考えればあたしにベッドでいいなりに
しようとしたことだって、何か目的があったのかもしれなかった。

「先生に裏切られたことはショックだったよ。でも、別に他に何か考えているわけじゃな
いよ。さっき聞いたばかりでそんな余裕もないし」

「いまさら奇麗事言わなくてもいいよ。それにこういうことにはあたしの方が唯ちゃんよ
り慣れてるしね」

 いつの間にか有希の呼び方が呼び捨てからちゃん付けに変わっていることにあたしは気
が付いた。余裕を取り戻した彼女は、逆説的だけどさっきまで自由にできると舐めていた
あたしのことを警戒する余裕を取り戻したのかもしれない。

「奇麗事じゃないよ。もうこれ以上有希ちゃんにも先生にも関わりたくないだけ」

「誤魔化したってだめだよ。それに唯ちゃんに知られちゃった以上は、いくら言い訳され
ても信じるわけにはいかないしね。それで唯ちゃんは何が望みなのかな。警察の加山さん
はお金と、多分あたしの知り合いの中学生の女の子目当てに脅してきたんだと思うけど、
唯ちゃんは何が欲しいの。お金? それともパパの事務所での地位かな。たいていのこと
はかなえてあげられると思うから駆け引きはやめて素直に言ってごらん」


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