過去ログ - ビッチ・2
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416:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/06(金) 00:03:42.65 ID:QOiwJppgo

 でも、僕には本当に明日香を責めたり問い質したりする権利はあるのか。そう考えると、
実は反省すべきは僕の方じゃないかと思えてきた。

 明日香の浮気はショックだったけど、あれは明日香が僕の彼女になる前の話だ。それに
比べて、奈緒のことはともかく玲子叔母さんに欲情したりキスしたりした自分の行為はど
うなのだ。あれは僕と明日香が付き合い出した後の話じゃないか。

 もう明日香と兄友のことを責める気はなかった。むしろ、こんな僕のことを明日香がど
う考えているのかだけが気になっていた。

それまで身を固くしていた明日香が不意に僕に柔らかくもたれかかった。

「ばか」

 そう言って明日香は僕に軽くキスした。

「ばかね」

 明日香が口を離して繰返した。

「本当にばかだな。僕は」

「ううん。あたしこそ心配させちゃってごめんね」

「それはいいけど」

「もう一度聞かせてくれるかな」

「うん?」

「明日香とずっと一緒にいたい。父さんと母さんとずっと四人で」

「・・・・・・妹としてなの?」

「いや。僕の奥さんになってほしい。そういう意味でずっとい一緒にいたい」

「本当にいいの?」

 明日香が意外なことを言った。

「・・・・・・どういう意味」

「お兄ちゃんは奈緒ちゃんと付き合ってたんでしょ。でも奈緒ちゃんが妹だと思って恋人
としての関係をやめた」

「ああ」

「はっきり言わなかったあたしが悪いの。でもお兄ちゃんの二度目のプロポーズに応える
前にこれだけは聞かせて。奈緒ちゃんはお兄ちゃんと血が繋がっていない。そして玲子叔
母さんもお兄ちゃんと結婚しようと思えばできるわけじゃん」

「あのさあ」

「もう誤魔化さないで。それでもお兄ちゃんはあたし選んでくれるの」

「そうだよ。僕がずっと一緒にいたいと思うのは明日香だ」

「実の兄貴じゃないって知った奈緒ちゃんから迫られても?」

 ほんの一瞬、ほんのわずかな間だけど僕は言葉に詰まった。でも明日香に気が付かれる
前に僕は何とかその言葉を振り絞ることができた。

「明日香。誰よりもおまえが好きだ。本当に愛しているよ」

 言葉に詰まった一瞬の間は明日香に気が付かれなかったようだ。明日香は人目を気にせ
ず泣きじゃくりながら僕にしがみついた。ここ最近僕に対して素っ気ない態度を取ってい
た明日香に本気で抱き着れるのは久し振りだった。そして抱きしめて彼女の頭を撫でるの
も。


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