42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/26(火) 00:21:02.82 ID:R3OcIW1Do
奈緒の親権は、奈緒の実父の鈴木雄二と婚姻するという条件で麻季へ。奈緒人の親権は
僕へ。
慰謝料、養育費はお互いになし。お互いに年間二回はそれぞれ相手に引き取られた子ど
もに面会できる。ただし、当の子どもの方から離れてしまった親への面会を望んでいる限
りは無制限に面会できるものとする。また、子どもたちがお互いに望むならいつでも僕か
麻季の立会いのもとで無制限に二人を面会させることができる。
離婚事由についてはお互いに相手を有責と主張したままだったので、調停結果は互いに
慰謝料はなし。
翌年の三月に調停委員からこういう調停案が提示された。あくまでも調停なので調停案
を拒否することはできる。だけど一度調停案に同意した場合は、その調停結果には拘束力
が生じる。つまり一度それに同意した場合は判決と同じ効果が生じるのだ。
僕は調停の結果を受け入れた。つまり奈緒は奈緒人と別れさせられ、麻季と鈴木先輩が
引き取る結果を容認したのだ。僕はその決断を誰にも相談せずに自分で決めた。
そう決断した結果は目も当てられないものだった。
まず、僕は涙を流しながら僕を責める唯に絶交を言い渡された。
「何であんなに仲のいい二人を引き離すなんてことができるのよ。あたしが何のために奈
緒人と奈緒の面倒をみていたと思ってるの」
僕はそれに対して一言も答えられなかった。説明しても理解してもらえないだろうから。
「もうお兄ちゃんとは一生関わらない。あたしは彼氏との付き合いよりも、内定した会社
への入社よりも奈緒人と奈緒のことが大事だったのに。まさか、理恵さんと早くで結婚し
たかったからなの? 子どもたちの幸せより自分の再婚の方が大切だったの?」
この後今に至るまで僕は泣きながらそう叫んでいた唯とは絶縁状態のままだ。
僕の両親も唯と同じような反応だった。
「確かに奈緒ちゃんはおまえと血が繋がっていないけど、それでもずっと奈緒人と一緒に
過ごしてきたんだぞ。どうしてそんな冷たい仕打ちができるんだ」
父さんが混乱した表情で僕を叱った。母さんは俯いて涙を拭いているだけだった。
「もう勝手にしろ。俺たちはもう知らん」
そしてこの件で僕は理恵の両親の信頼すら失った。理恵が言うには僕との再婚に何の反
対も心配もしていなかった理恵の両親は、僕との再婚は考え直した方がいいのではないか
と理恵に言い出したそうだ。自分の子どもをあっさり見捨てるような僕に不安を感じたの
だという。
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