20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/21(木) 17:31:47.35 ID:SqoGiz5DO
勇者「……」
スラ「……」
勇者(や、やばい!?)
時が止まったように互いを見つめたまま固まる二者。
しかし、そんな勇者の灰色の脳細胞は目まぐるしく思考の演算を繰り返していた。
勇者(落ち着け私! 旅に出てすぐの私とスライムの戦力は互角! きっと!
それに、スライムは動きが遅いと相場が決まっている! 逃げられる! 余裕で! 多分!
それに最近はスライムも人間慣れしているから、菓子や食料を放り投げると追って来ないとか言うし!
よし決定! 私、逃げる!)
そうやって地べたにうつ伏せのまま行動の如何を決定した勇者は、スライムを刺激しないようにゆっくりと立ち上がり始めた。
が……
スラ「ぷる! ぷるるっ!」
勇者「……?」
何だかスライムの様子がおかしかった。
スライムは透き通っていた自分の体表を桃色にして、ぷるぷると小刻みに震えている。
勇者は首をかしげて見ていたが、しかし心中に嫌な予感を覚えた。
勇者「……」
そして勇者が嫌な予感に突き動かされるまま、片膝をついた起き上がり途中の姿勢でじりじりと後退を始めた時だった。
スラ「ぷるぷるッ!!」
勇者「え? きゃーッ!?」
それはおよそスライムが出せるとは到底思えない、電光石火の速さだった。
スライムは空中高く飛び上がったかと思うと、液状の身体を風呂敷のように大きく広げ、瞬く間に勇者の身体を包み込んできた。
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