19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/21(木) 08:31:58.49 ID:SqoGiz5DO
〜 草原 〜
勇者「逃げろっ……逃げろッ!」
勇者は走っていた。それも全力で。
女神と邪神の話が夢では無かったことを理解した勇者は、二人の元からすぐさま逃走を開始したのだった。
勇者「うぅ……あの気狂いたちと一緒にいたら私の貞操が危ない。白馬の王子様エンドを迎えるためには何としてでも純潔を守らないと……」
と、そこまで言って勇者は顔を赤らめた。
勇者「って、違う違う〜! そうじゃない! なにを言ってるのよ私は!
私は勇者! 魔王を倒して世界を平和にする! それだけ! 以上!」
勇者は目を閉じるとぶんぶんと頭を振り、脳内に浮かぶ雑念、もとい憧れの王子様を取っ払うように試みる。
だが、疾走中に一時でも目を閉じたのは失敗だった。
草むらを蹴り分けて進む勇者の爪先が、がつんと地面の凹凸に引っ掛かった。
勇者「わっ!? わわわっ」
勇者の身体が走る勢いそのままにぐらりと傾く。
そしてそのまま勇者は前のめりになって、草むらの中へと盛大にずっこけた。
勇者「あ、あたた……ぺっ、ぺっ……もうやだ!」
勇者は口の中に入った土を吐き出しながら悪態をつく。
そしてうつ伏せになったまま顔を上げて、
スライム「ぷよん、ぷよん」
勇者「……」
スライム「ぷよっ!?」
草むらから出て来たスライムと勇者の目線がバッチリ交差した。
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