過去ログ - 素直じゃない二人(ゆるゆり)
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171:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:33:25.89 ID:L62z0KCK0
ちなつ「私、みんなの為に動いてた。でもそれが全部おせっかいで、全部がめちゃくちゃになっちゃうんじゃないかって、あかりちゃんも京子先輩も、結衣先輩も、みんなバラバラになっちゃうんじゃないかって、不安だった」
結衣「うん」

 ここまで友達の事を思えるのが、ちなつちゃんのいいところなんだって思えた。
 だって、本当に人の事を考えられなくちゃ、こんな風にはなれない。
以下略



172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:34:17.90 ID:L62z0KCK0
ちなつ「それが現実に起っちゃうじゃないかって、私の所為でそれが本当に起きちゃったらって、考えたくないけど考えちゃって、友達がいなくなっちゃうのがすごく怖かった」
結衣「うん」

 でも、ちなつちゃんは進んだ。
 全部、背負ってもいいからって進んだ。
以下略



173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:35:07.79 ID:L62z0KCK0
結衣「ちなつちゃん、もう大丈夫だよ。もう大丈夫」
ちなつ「結衣先輩……」
結衣「ちなつちゃんがいなかったら、私たちは今年で終わってたはずだから。今まで一緒に過ごしてきたこととか全部、ごらく部も全部無くなってたはずだから、だからちなつちゃんには感謝しきれないくらいだよ」

 本当に、このごらく部にちなつちゃんが入部してくれなかったら、ここで私は一人、終わっていく私たちの関係を悔やんでいるだけだったはず。
以下略



174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:36:16.83 ID:L62z0KCK0
ちなつ「結衣先輩、ありがとう」
結衣「どういたしまして」
ちなつ「やっぱり、結衣先輩の事、好きみたいです」

 その言葉に、少しだけ私は頭を掻いて、気づけばちなつちゃんは離れていた。
以下略



175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:38:23.75 ID:L62z0KCK0
―京子―

あかり「雪、結構降ってきたね」
京子「そうだな〜、これなら雪合戦とかもできるんじゃないか?」

以下略



176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:39:23.98 ID:L62z0KCK0
あかり「京子ちゃんとね、また一緒に歩けるようになれて、嬉しいんだよ」
京子「わ、私もあかりとこうして一緒に歩けるようになれて嬉しいよ」
 
 二人でこうして歩いていけるようになったのは、皆のおかげだってわかってる。
 もしも、綾乃が私を受け入れてたら、ちなつちゃんがいなかったら、結衣が家に来てくれなかったら、多分もう全部が終わってた。
以下略



177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:40:33.42 ID:L62z0KCK0
 やがて見えてくるのはあかりの家で、今日一日の事、あかりは親になんて説明するんだろうなって思いながら、結果はやっぱり残さなくちゃいけないんだよね、なんて思った。
 妙に決心ができている私に、心臓の鼓動が急ぎたてるように速いリズムを刻む。
 あと少しであかりの家の前になる。
 あかりの方を見やると、なんだか緊張してる私を見て心配そうな顔をしてた。
 大丈夫と聞かれて、ダイジョウブデースなんて答えを出してしまうくらいに、口があまり回らない。
以下略



178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:43:30.49 ID:L62z0KCK0
 いつか叶えればいい、それはとても都合の良い言葉だと思う。
 何時でもいいのだから。
 でもそれは、手元にそれがない人だけが使っていい言葉で、今の私には全てが揃ってた。
 あかりの頼みごとを叶えること、それを実現すること、それは今の私にしかできないことだって、なぜかそのときだけは思えて。

以下略



179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:44:12.70 ID:L62z0KCK0
あかり「なに、京子ちゃ――」

 一気にあかりの肩を引きよせる。手に持っていた赤い傘がその場に落ちると、雪がほてった頬に触れるようになる。
 驚いているあかりの事なんて気にしないで、そのまま思いっきり抱き寄せるように私も一歩出て、一気にあかりの瞳に近づく。
 あかりの目が静かに閉じて、私も瞳を閉じる。
以下略



180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:45:19.72 ID:L62z0KCK0
 少しだけカサカサした感触があった。
 こんな寒空、リップクリームも付けないでいれば、それはそうなるよね。
 そんなことを思いながら静かに唇を離して、瞳を開けるとそこにはまだ瞳を閉じたままのあかりがいた。
 
京子「あかり」
以下略



181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 23:46:26.60 ID:L62z0KCK0
あかり「だから、あかりからも、お返しさせてね」

 そう言ってあかりの顔に私の顔が吸い込まれる。
 唇に感じる今さっきと同じ感触、でも少しだけ触れ合ってる時間が長くて、それがたまらないほどに気持ち良かった。
 終わりは静かにやってきて、私はそのままもう一度だけあかりを抱きしめて、あかりも抱きしめ返してくれた。
以下略



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