過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/02/25(月) 02:12:59.69 ID:8gIDJxBio
「そう落ち込むな! 高めだったら親倍だったんだじぇ! 安く済んだと考えな!」
「まぁ、京ちゃんこればっかりはしょうがないよ。その待ちならいずれ出ちゃうよ」
「そうですよ須賀君。麻雀ですからこういうことも起こりえます」
1年生の3人娘から口々にフォローの言葉が飛び交う。
自分の手の中にある中――優希の言う高目親倍の当たり牌――を見下ろしながらため息をつく。
あの手恰好では振り込むことが約束されていたとばかりの状況に心が折れそうになる。
「そうじゃな。あの手恰好じゃ誰が打とうといずれ打ち込んでおった。気にするな」
京太郎の打ち筋を後ろで眺めていたまこも気遣いの言葉を投げる。
「うっす。よっしゃ、まだ始まったばかりだ! 気合い入れていくぜ!」
「ふふっ、頑張って京ちゃん」
「おぉっと、そうはいかないじぇ。この連荘で終わらせてやるじぇ!」
軽く笑いあいながら、再び場は進行していった。
(そう、だれでも振り込む。それはわかる)
(でも……こいつらは)
(こいつらはこんな状況にまずならない)
(こいつらだったら確実な安牌が手にあるかそもそも手の中に当たり牌がない)
(……少なくとも、インターハイ中はそうだったしな)
京太郎の胸に芽生えた小さな小さなしこりを押し隠したまま。
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